iPad Proのメモリ(RAM)は16GB必要か?オススメは何GB?

iPad Proはストレージ容量によってメモリ(RAM)の容量が違います。

具体的には、512GB以下のモデルには8GBのメモリが、1TB以上のモデルには16GBのメモリが搭載されています。

256GBまたは512GBストレージ搭載モデルには、M4チップ(9コアCPU、10コアGPU、8GBメモリ)が内蔵されています。

1TBまたは2TBストレージ搭載モデルには、M4チップ(10コアCPU、10コアGPU、16GBメモリ)が内蔵されています。

出典:Apple via XユーザーのKoh Ogawa

なお、ストレージ容量によってチップのメモリが変化するのは、旧モデル(2021年に登場したM1チップ、2022年に登場したM2チップを搭載したモデル)も同じです。

iPad Proはストレージ容量によって、ストレージだけでなく、メモリのスペックも変わるという事です。

関連記事:iPad Proのストレージ容量は何GBがオススメなのか?

余談ですが、ディスプレイにNano-textureガラスのオプションを選択できるのも1TBと2TBのモデルだけです。

iPad Proには標準ガラスとNano-textureガラスが用意されています。どちらも極めて低い反射率を追求して作られているため、作業環境に応じて、あなたにぴったりのオプションを選べます。

新しいオプションのNano-textureガラスは、高い品質と正確な色再現が求められるワークフローや、調整が最も難しい環境光の照明下での作業に最適です。ナノメートル単位で精密に施されたエッチングが、画質とコントラストを維持しながら、環境光を散乱させて映り込みを一段と少なくします。

出典:iPad Proを購入 – Apple

iPad Proのメモリは何GBがオススメなのか?

iPad Proのメモリは8GBと16GBのどちらがオススメなのか解説します。

カジュアルな利用なら8GBで十分

iPad Proをメールや動画閲覧、SNSの利用などカジュアルに利用するなら、メモリは8GBで十分です。

非公式の情報ですが、)iPhoneのメモリは4~8GBとなっています。

  • 4GB:iPhone SE(第3世代)、iPhone 13、iPhone 13 mini
  • 6GB:iPhone 15、iPhone 15 Plus
  • 8GB:iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max

つまり、iPad Proの利用目的が、ネット検索(情報収集)やメール、SNS、ニュースチェックなど、iPhone(スマホ)と特に変わらないのであれば、8GBで(余程のへビーユーザーでもない限り)十分と言えるでしょう。

動画の閲覧も8GBでOKです。YouTubeやNetflix、Prime Videoなどのストリーミング配信の場合、重い動画を再生するにはiPad Proの性能よりも(性能だけでなく)インターネット環境が大事ですし、iPad Proに保存した動画を再生するなら大した性能は必要ありません。

世の中には4Kや8Kといった高画質で重い動画も存在しますが、iPad Proの画面はそもそも4Kや8Kに対応していないので、再生する機会は無いはずです(再生しても高画質で表示されないのであまり意味がありません)。

ゲームも、iPad Proでプレイできるゲームは基本的にアプリゲームかブラウザゲームで、パソコンのゲームやVRの様に重いゲームをやる事は無いので、余程のゲーマーでもない限り8GBで足りるはずです。

総じて、iPad Proを”情報を受け取る”事に利用するなら、メモリは8GBで問題ありません。

イラストや動画編集、仕事での利用なら16GBを検討

iPad Proでイラストを描いたり、動画を制作したりと、クリエイティブな作業をするならメモリは16GBを検討した方が良いかもしれません。

例えばPhotoshopCLIP STUDIO PAINTなど、本格的なアプリを使ってレイヤー数の多いイラストを描くなら、メモリは16GBの方が良いです。

アプリによっては、メモリに応じて使用できるレイヤーの数に制限があるものもあります(例:「8GBはレイヤー数50、16GBはレイヤー数100」みたいな感じ。数字は適当です)。なので、もし具体的に利用したいアプリがあるなら、メモリによって機能が制限されないかも事前にチェックしておいた方が良いでしょう。

動画編集に関しても同様で、4Kなど重い動画を扱ったり、複数の動画を重ねたり、効果を多用するなら、メモリは16GBあった方が良いでしょう。

マルチタスク機能は使う?

iPadOSにはマルチタスク機能が備わっており、複数のアプリを同時に使うことができます。パソコンでいう「二窓」です。

動画を見ながらSNSをチェックしたり、資料を表示しながら作業をしたりといった事ができます。

複数の作業(アプリ)を同時に行う場合は、多くのメモリを必要とするので、マルチタスク機能の多用が考えられる場合も16GBを検討した方が良いでしょう。

iPad Proのメモリを選ぶ際の注意点

iPad Proを購入するにあたり、メモリについて知っておくべき注意点を解説します。

8GBと16GBの価格差

iPad Proはメモリが8GB(ストレージが512GB以下)と16GB(ストレージが1TB以上)のモデルで価格が大きく異なります。

Appleの公式オンラインストアの場合、以下の価格になります(税込)。

iPad Pro(11インチ) iPad Pro(13インチ)
Wi-Fi Wi-Fi+Cellilar Wi-Fi Wi-Fi+Cellilar
256GB 168,800円 204,800円 218,800円 254,800円
512GB 204,800円 240,800円 254,800円 290,800円
1TB 272,800円 308,800円 322,800円 358,800円
2TB 340,800円 376,800円 390,800円 426,800円

出典:ITmedia Mobile

512GBと1TBで7万円近く価格が違うのが分かると思います。

メモリが16GBのiPad Proを購入するには相応の予算が必要です。

ちなみに、2024年のiPad Pro(Apple M4)から128GBは無くなりました(以前のモデル(2022年発売のApple M2搭載iPad Pro)には128GBがありました)。

後からメモリ増設は不可能

パソコンの中には、メモリを後から自分で増設できるものもあります。しかし、iPad Proの場合はメモリを後から増設する事は不可能です。

iPad Proのメモリ容量を選択できるのは購入時のみです。

ストレージ容量であれば、後から外付けHDDやUSBメモリ、クラウドストレージ(iCloud DriveやDropboxなど)などを使って疑似的に容量を増やすことが出来ます。

しかし、メモリ(RAM)はそうした方法で後から疑似的に増やすことも出来ません。後からどうしてもメモリを増やしたくなった場合は本体ごと買い直す必要があるので注意しましょう。

メモリが多くてもフルに利用できる訳では無い

iPad Proには8GBと16GBの2種類のメモリが用意されていますが、それぞれ8GB・16GBをフルに使って作業が出来るわけではありません。

iPad Proは複数のアプリを同時に利用できるように(マルチタスクのために)、1つのアプリにメモリを全て割り当てないように設計されています。

当初、iPad Proはメモリの容量に関係なく、実行中のアプリに最大で5GBしかメモリを使用しないように設計されてました。そのため、例え16GBのメモリを搭載していても、使用しているアプリで利用できるのは5GBまでとなっており、高い性能を活かすことが出来ませんでした。

その後、iPadOSがアップデートされ、iPad Proはメモリ容量が16GBのモデルで最大12GB、8GBモデルでは6GBを利用することが出来るようになりました。

上限が緩和されたのは嬉しいことですが、それでも搭載しているメモリを1つのアプリが最大限活用する事は出来ません。また、iPad Pro側のメモリが十分でも、アプリ側が8GBや16GBなど大容量のメモリに対応していない可能性もあります。

iPad Proのメモリ容量を検討する際は、iPad Proや予算の都合だけでなく、利用する予定のアプリの仕様も確認しておきましょう。

iPad Airのメモリも8GB

実は2024年にiPad Proと同じタイミングで登場したiPad Air (Apple M2)のメモリ(RAM)も8GBになっています。

つまり、iPad Proのストレージが258GB~512GBのモデルとiPad Airは、メモリの容量だけで見ると同じなのです。

それでいて、iPad Airであれば、iPad Proの一番安いモデル(11インチiPad Pro 128GBモデル)より、さらに7万円も安く入手できます。

iPad Pro(11インチ、256GB) iPad Air(11インチ、128GB)
Wi-Fi Wi-Fi+Cellilar Wi-Fi Wi-Fi+Cellilar
128GB 168,800円 204,800円 98,800円 124,800円

もちろん、iPad ProとiPad Airではメモリ容量以外の性能や搭載している機能が違うので単純に比較できません。

しかし、カジュアルな利用を想定していて、メモリは8GBでも良いと考えている場合、iPad Airも良い選択肢になる可能性があります。

まとめ:基本的には8GBで十分

iPad Proのメモリは基本的には8GBで十分です。

iPad Proの購入理由がネット閲覧(情報収集)やメール、SNS、読書、動画視聴など、”情報を受け取る”用途なら8GBで問題ありません。

イラストを描いたり、動画編集をするという方も簡単な作業をするだけであったり、本格的な作業はパソコンで行うという方であれば8GBで十分です。

逆に、iPad Proでレイヤーの多いイラストを描いたり、効果や容量が多い動画編集作業をしたりなど、本格的にクリエイティブな作業を多くこなしたいなら、メモリは16GBを選んだ方が良いでしょう。

多くの方はiPad Proを新型が出るたびに買い替えたりしないと思うので、今は良くても、今後数年間利用する事を考えれば、アプリがより多くのメモリを必要とするように進化する事も考えて16GBを選択した方が安心です。

イラストに関しては、多くのイラストレーターさんがiPad Proを実際に使ってみたレビュー動画をYouTubeに投稿しているので、自分が使っている・使ってみたいイラスト制作アプリで検索して参考にしてみると良いと思います。

身も蓋もない話ですが、予算に余裕があるなら、16GBを購入しておくと良いでしょう。”大は小を兼ねる”という考え方です。

基本的に、メモリが多いことのデメリットは価格が高いことだけなので、その点さえクリアできるなら、16GBを選んでおけば後悔する事は無いはずです。

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参考