2026年3月26日、Appleは公式サイトから「Mac Pro」のページを削除し、同製品の販売を終了しました。
Mac ProはPower Mac G5の後継機種として2006年8月に発売された製品です。長らく拡張性に優れたプロ向けの製品としてMacのラインナップを支えていましたが、近年は大きな話題が無く、登場から約20年経った2026年3月、ついにその役割を終える事になりました。
この記事では、販売終了の理由や後継機となる新型の有無、代替となるパソコン等について、Q&A形式でシンプルに解説します。
Q1. Mac Proの販売終了は事実?
情報源はなに?公式の発表はあった?
A. はい。Mac Proの販売終了はAppleが認めています。
2026年3月26日午後(米国時間)、Appleが公式ウェブサイトに掲載しているMacのラインナップからMac Proが削除され、購入ページも消えました。日本でも同様です。
Appleは米メディアの9to5Macに、Mac Proの販売終了を認めました。
プレスリリース等もなく、メディアに応える形での発表という非常に静かな最期でした。
なお、Mac Proの販売終了に伴い、Mac Pro本体の下部に取り付ける移動用のキャスター「Apple Mac Pro Wheels Kit」の販売も終了しています。
Q2. 新しいMac Proは出る?
後継機となる新型のMac Proは登場するのか?
A. 新しいMac Proは出ません。
Appleは「新しいMac Proを出す予定はない」と9to5Macに明言しています。
Mac Proという製品カテゴリー自体がこれで終了(少なくとも復活の予定はない)という事になります。
Mac Proは2025年の段階で、既にプロジェクトが”放置”されていると報じられていましたが、公式に開発終了となった形です。
Q3. なぜMac Proは販売終了したの?
なぜMac Proは既存モデルだけでなく、カテゴリーごと販売を終了したの?
A. 拡張性はAppleが求める方向ではない。
AppleがMac Proを販売終了した理由は不明です。公式には何も語られていません。
しかし、拡張性に優れたMac Proは、Appleが追求したい方向でない事は明白です。
Appleは長らく、Intelを始めとする他社のCPU、GPU、各種チップセットを個別に搭載したMac(通称「Intel Mac」)を開発してきました。
ですが、2020年頃から独自に開発したAppleシリコンを使う方針に切り替えています。これはCPU、GPU、メモリなどを全て1つのチップに統合したSoC(システム・オン・チップ)です。
Appleは拡張性を捨て、自社製品に特化したAppleシリコンを採用する事で、Macの高速化と省電力化、そして低価格化を実現しました。
さらに、2025年に登場したmacOS Thahoe 26.2には、複数のMacを接続してコンピュータ・クラスターを構築し、1台のハイスペックなMacとして利用できる「RDMA over Thunderbolt」機能が新しく搭載されました。
これにより、「もう1台Macを購入して繋げる事で、Macの性能を拡張できる」という状態になりました。
機能や処理能力が、より低価格のMac Studioと重複し、Appleの戦略から外れていった事が、Mac Proの販売終了に繋がったと考えられています。
事実、Bloombergのマーク・ガーマン記者は、2025年11月16日に発行したニュースレターにおいて、「社内で聞いた話によると、AppleはMac Proをほぼ見限っているようだ」「社内では、Mac StudioこそがAppleのプロフェッショナル向けデスクトップ戦略の現在と未来を象徴する存在だと考えられている」と記しています。
Mac Proの販売終了を最初に報じた9to5Macは、今回の件について以下のように記しています。
AppleがMac Proの販売を中止し、今後はMac Studioを優先するという判断を下したのは正しかったと思います。
もちろん、今日のニュースに失望するMac Proの熱烈なファンもいるでしょう。しかし、こうした事態は以前から予見されていたことです。
出典:Apple discontinues the Mac Pro with no plans for future hardware – 9to5Mac
Q4. Mac Proの代わりは何が良い?
Mac Proが販売終了した今、高性能のプロ向けMacを購入するとしたら何を買えばいいのか?
A. Mac Studioが最有力候補です。
Mac Proの販売終了により、Appleのデスクトップパソコンは以下の3種類となりました。
- Mac mini
- Mac Studio
- iMac
どれもMac Proと比べて拡張性に乏しいですが、その代わりにスマートでシンプルなデザインであり、サイズも小さいです。Appleシリコンを搭載しており性能も十分です。
Mac Proに代わるハイスペックでプロ向けの製品が欲しい方は、Mac Studioが本命になるでしょう。
公式サイト:Mac Studio – Apple
各種報道からも、Appleも今後はMac StudioをMac Proの代替となるプロ向けMacとして推していくと考えられます。
Apple M3 Ultraチップを搭載した最新のMac Studioなら、Mac Pro(約100万円~)より大幅に安い値段(約67万円~)で、同等以上の性能を発揮します。
より安価なモデル(M4 Maxチップ)が用意されており、用途に応じて柔軟に選択できるのも嬉しい点です。
Q5. 拡張性があるパソコンが欲しい場合は?
PCIeスロットなど拡張性のあるパソコンが欲しい場合は、どうすれば良いのでしょうか。
A. 諦めましょう。Windowsはどうですか?
Mac Proの強みはその拡張性でした。
PCI Express(PCIe)を始め、拡張性に優れているMac Proは、GPUやSSD、メモリなど様々なサードパーティのパーツを接続・換装する事が可能となっていました。
特に2023年に発売されたMac Pro(すなわち最後のモデル)は、Appleシリコン「M2 Ultra」を搭載しながら、PCIeスロットやThunderbolt 4を始めとする各種端子も搭載しているまさに「Pro」と呼ぶに相応しい存在でした。
しかし、Mac Proが販売終了した事で、もう拡張性が高いMacは1つも存在しません。
Appleシリコンを採用してから、Appleは自社の技術を統合したスタイルでMacを展開しており、他社のハードウェアを接続・換装する事を想定していません。
故に、「NVIDIAのグラフィックボードを搭載したい」とか「CPUを換装したい」というニーズは、残念ながらMacでは対応できません。
Macを購入する際は、拡張性は諦めて購入しましょう。
何らかの理由で拡張性を強く求める場合は、Windows等、別のOSのパソコンを購入するようにしましょう。
筆者はWindowsを搭載したゲーミングデスクトップ である「HP Victus 15L」を使っていますが、とても気に入っています。Macも良いですが(筆者はMacを使っていた事があるのでその素晴らしさは良く分かります!)、拡張性を考慮する方はぜひWindowsも検討してみてくださいね!
まとめ
今回のニュースをまとめると以下のようになります。
- AppleがMac Proの販売を終了
- 新型や後継機の予定は無し
- 代わりとなるのはMac Studio。拡張性重視ならWindowsなどMac以外を視野に。
Appleは近年、”Mac史上最もパワフル”と謳うプロ向けデスクトップ「Mac Studio」や(米国において)史上最安となるエントリーモデル「MacBook Neo」を販売するなど、Macのラインナップ拡充に取り組んできました。
そうした中で、AppleはMac Proを販売終了とし、久々にラインナップの整理を行った形になります。
これでAppleのプロ向けMacは、ラップトップなら「MacBook Pro」、デスクトップなら「Mac Studio」というシンプルな構成へ落ち着いたと言えるでしょう。
