Googleの生成AI「Gemini」と「Nano Banana」の名前の由来は?

Geminiのロゴ

Googleは生成AIの「Gemini」と画像生成と編集のAI「Nano Banana」を開発しています。

なぜ「Google AI」ではなく、GeminiとNano Bananaという名前なのでしょうか?

Googleが提供するGeminiとNano Bananaの名前の由来を解説します。

Geminiの名前の由来

「Gemini」は当初、仮称として「Titan(タイタン)」と呼ばれていました。

しかし、Googleのチーフサイエンティストであるジェフ・ディーン氏の提案により「Gemini」に変更されました。

「Gemini」には2つの意味が込められています。

ラテン語で「双子」

1つ目の意味はラテン語で「双子」を意味する「Gemini」です。

天文学では、ギリシャ神話に登場する双子のカストルとポルックスにちなむ星座「ふたご座」を指します。

なぜAIの名前にふたご座という意味を込めたのか?それはAIを開発するGoogleのチームに理由があります。

2011年からGoogleには人工知能を研究する「Google Brain」というチームが存在しました。さらに、それとは別に2014年に買収した人工知能研究機関である「DeepMind」も存在しました。2023年にGoogleはこの2つのチームを統合し、新たに「Google DeepMind」を設立しました。

別々だった2つのチームが1つになり、共に1つのAIを作る……

Googleのそんな状況が双子座の「二面性を持つ性格であり、素早く適応でき、幅広い人々と繋がり、物事を多角的な視点から見ることができる」という特徴とぴったりという事で、彼らはAIに「Gemini」と名付けました。

Geminiという名前を提案したジェフ・ディーン氏はこう述べています。

「Gemini計画は、言語モデリングに取り組むチーム間の連携を強化したいという思いから始まりました」とジェフは語る。

「『Gemini』という名前の双子という側面がぴったりだと感じました。ここでいう双子とは、旧Brainチームと旧DeepMindチームのメンバーのことで、彼らはこの野心的なマルチモーダル・モデル・プロジェクトで協力し始めたのです」

出典:How Google’s Gemini AI model got its name

もちろん、星座そのものに「性格」や「人とのつながり」といった性質があるわけではありません。

Googleは、神話や占星術などによって形作られた「双子座」のイメージを名前に取り入れたのでしょう。

ちなみに、「Gemini」という名前を提案したジェフ・ディーン氏はこの方です。

Jeff Dean in 2025 x
画像:Cmichel67, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

ディーン氏は1999年半ばにGoogleに入社し、Google検索、Google広告、Google翻訳などの設計に携わり、現在は同社でチーフサイエンティストを務めているエンジニアです。

NASAのジェミニ計画

Geminiに込められた2つ目の意味は、NASAが1960年代に行った有人の宇宙飛行プロジェクトである「ジェミニ計画」です。

この計画では10回の宇宙飛行が行われ、米国初の宇宙遊泳や、地球周回軌道上での史上初の宇宙船同士のドッキングなど、数々の偉業が達成されました。それらは人類史上初の有人月面着陸を成し遂げたアポロ計画に繋がる重要な役割を果たしています。

Geminiのパッチ
NASAによるジェミニ計画のパッチ

Geminiの共同技術責任者であるオリオール・ヴィンヤルス氏は、「LLMのトレーニングという途方もない努力が、ロケット打ち上げの精神と重なるように感じた」ため、AIに「Gemini」と名付けるきっかけとなったと述べています。

LLMは「大規模言語モデル(Large Language Model)」の略で、大量のテキストデータを学習し、人間のような文章の生成や理解を行うAIモデルです。

Nano Bananaの名前の由来

GoogleはGeminiだけでなく、画像生成AIの「Nano Banana」も提供しています。

この風変わりな名前は、プロダクトマネージャーのナイナ・レイシャニ氏が、2025年7月に画像生成AIの「Gemini 2.5 Flash Image」に名付けたコードネームに由来しています。

Nano Bananaの命名は、2025年7月の開発段階までさかのぼる。正式名称は「Gemini 2.5 Flash Image」と決まっていたが、リリースに向け、LMArenaで匿名でテストするためにコードネームを付けた。

名前を提案したのは、Googleのプロダクトマネジャーであるナイナ・ライシンハニ氏。同氏の2つのニックネーム「ナイナ・バナナ」と「ナノ」を組み合わせた。同僚は「全くナンセンス」と評した一方、提出期限が迫っていたこともあり、Nano Bananaが採用された。なお、ナノという名前は、ライシンハニ氏が小柄でコンピュータ好きであることに由来するという。

出典:Googleの画像生成AI「Nano Banana」、名前の由来は? 公式が明かす(ITmedia AI+)

LMArenaでテストした後、Googleは2025年8月に画像生成AIを「Gemini 2.5 Flash Image」という名前でリリースしましたが、「Nano Banana」という名前もブランド名として残しました。

さらに、2025年11月に発表された「Gemini 3 Pro Image」では、「Nano Banana Pro」という名称の方が前面に押し出されました。

開発チームもこのブランド名を活かし、 Geminiの画像作成ボタンにバナナの絵文字を追加するなど、バナナをブランディングに活用しました。

こうした経緯により、当初はコードネームだった「Nano Banana」という名前は、正式名称とは別のブランド名として定着し、現在に至っています。

まとめ

Geminiという名前には、GoogleのAI研究チーム「Google Brain」と「DeepMind」が統合したことを表す「双子」と、AI開発を宇宙開発に重ね合わせたNASAの「ジェミニ計画」という2つの意味が込められています。

一方、Nano Bananaは、もともと「Gemini 2.5 Flash Image」を匿名でテストするために付けられたコードネームでした。ユニークな名前がユーザーの間で広まり、正式なブランド名として定着しています。

どちらも単なるAIの製品名ではなく、Googleの開発チームや開発の背景、ユーザーとの関わりから生まれた名前なのです。

ちなみに、Geminiはかつて「Bard」と呼ばれていました。

読み方は「バード」で、「吟遊詩人」という意味です。2024年2月8日にGeminiへとリブランドされました。