スーパーアプリ(super-app)とは、複数のサービス・機能を持ったモバイルアプリ(スマホやタブレット向けのアプリ)の事です。
欧米ではあまり一般的ではありませんが、中国をはじめとするアジア諸国では大きな成功を収めています。
スーパーアプリとは、1つのアプリ内に様々な機能が集約された総合アプリのことで、SNSやメッセージ、決済や音楽など、本来であればそれぞれが独立しているサービスを、1つのアプリ内で利用することができます。ユーザーは、複数のアプリを併用する必要がなくなり、起動の手間やアカウント管理も軽減されるため利便性が高く、アジア圏を中心に近年注目を集めています。
日本では「LINE」が特に著名なスーパーアプリです。
LINEはメッセージ機能のほかに、各メディアの記事を集約した「ニュース」や、決済機能やクーポン券を備えた「ウォレット」などが搭載されています。
このような、複数のサービスや機能を備えているアプリがスーパーアプリです。
スーパーアプリの一覧
世界で人気のスーパーアプリには、以下のようなものがあります。
- Brave(米国)
- WeChat(中国)
- AliPay(中国)
- Grab(シンガポール)
- Gojek(インドネシア)
- Paytm(インド)
- Zalo(ベトナム)
- Kakao(韓国)
見ての通り、人気のスーパーアプリはアジアに偏っています。
日本のスーパーアプリ
日本ではソフトバンク傘下のLINEヤフーが、同社のLINE、PayPay、Yahoo! Japanをスーパーアプリとして強化していく方針を示しており、その為に組織の再編やアプリのアップデートなどを行っています。
Twitterはスーパーアプリ「X」に変わる?
Twitterを買収した米国の起業家であるイーロン・マスク氏は、Twitterを単なるSNSではなく、メッセンジャーや決済機能、配車、買い物、オンライン診療など、さまざまな機能を備えたスーパーアプリとする考えです。
マスク氏は自身が作ろうとしているその”スーパーアプリ”のことを、「なんでもアプリ”X”」と呼んでいます(Xはマスク氏が個人的に好きな文字です)。
マスク氏はTwitterの従業員とのミーティングでも「(中国では)人々は基本的にWeChatで生活している。非常に便利で日常生活の役に立つからだ。Twitterでそれを実現できれば、あるいは近しいものができれば、大成功すると思う」と語っており、スーパーアプリ化がTwitterを成功に導くための重要なビジョンである事がうかがえます。
マスク氏はTwitterの名前を「X」に変更し、Twitter時代には無かった求人情報サービス「X Hiring」や「X Job Search」を始めたり、関連企業のxAIが開発するAIチャットボット「Grok」を統合するなど、スーパーアプリ「X」の実現を目指して邁進しています。
2025年には決済サービスを開始する予定です。
イーロン・マスクが率いるSNS企業X(旧ツイッター)は1月28日、予定しているデジタル決済サービス「X Money(Xマネー)」の展開に向けて、Visaをパートナーに迎えたと発表した。この動きは、「スーパーアプリ」を目指す同社の取り組みにおける最も具体的な一歩となる。
いずれはTwitter/Xも、WeChatやGrabのような国民的スーパーアプリとなるのかもしれません。