SSDのデータを完全に削除し、安全に処分する方法

SSDを安全に処分する

SSD(ソリッドステートドライブ)をデータが流出しないように、データを完全に削除し、安全に処分する方法を解説します。

SSDのデータ消去は難しい

HDDは穴を開けたり、磁気を利用することで簡単にデータを復元不可能な状態で処分することができました。

しかし、SSDはHDDとは仕組みが違うため、穴を開けたり、初期化しても、簡単には完全にデータを削除することはできません。

UCサンディエゴ大学の研究チームによれば、不適切・不十分な方法だと、一見データを削除できたように見えても、簡単にファイルを復元できてしまったようです。

ですから、SSDを他人にあげたり、リサイクルショップに売る場合には、適切な方法を取り、SSDのデータを完全に削除することが必要です。

SSDを安全に処分するには

SSDを完璧に破壊してしまえば、中のデータを復元されず、安全に処分できます。

しかし、SSDを綺麗に破壊するためには特別な機械が必要なので、個人にはハードルが高いです。

加えて、SSDを壊してしまえば、他人に譲ったり、リサイクルショップに売ることもできなくなってしまいます。

SSDを壊すというのは安全度は高いですが、非現実的な方法です。

そこで個人にも手軽でオススメなのが、SSDを暗号化したあと、データを初期化・上書きし、復号できない状態でSSDを処分する方法です。

SSDを暗号化する方法

手順としては以下のような流れになります。

  1. SSDを暗号化
  2. SSDのデータを初期化 (データを削除)
  3. 再びSSDを暗号化
  4. SSDを処分。処分しない場合はそのまま新しいPCとして設定すればOK。他者に売却・譲渡する場合はもう一度初期化し、暗号化されていない状態で渡す。

WindowsでSSDを暗号化する方法

データを削除した後、SSDを破棄する場合は構いませんが、もし再びパソコンやSSDを使う場合は、同じデータは使えなくなるので、ソフトウェアの認証解除やバックアップを行っておきましょう。

暗号化は、パソコン本体の場合は設定から簡単に行う事ができます(詳しくは下記の記事をご覧ください)。

参考:Windowsで「デバイスの暗号化」を有効にする方法

外付けSSDなど、外部のデータを暗号化する場合には「Bitlocker」というWindowsに搭載されている暗号化ソフトを使いましょう。

しかし、Bitlockerを使えるのはPro版ユーザーのみです。

BitLocker は Windows Home エディションでは利用できません。

出典:Windows でのデバイスの暗号化

ですので、Pro版以外を使っている方は無料で入手できる「VeraCrypt」を使うのがおススメです。

公式サイト:VeraCrypt

  1. VeraCryptを使うには、まずVeraCryptをダウンロードし、インストールします。
  2. VeraCryptを起動し、「システム」を開いたら「システムパーティションあるいはシステムドライブを暗号化」を選択します。
  3. システム暗号化タイプを確認するメッセージが表示されたら「通常」を選択して「次へ」をクリックします。
  4. 「ドライブ全体の暗号化」→「シングルブート」を選択し (OSが1つしかインストールされていない場合)、「次へ」をクリックします。
  5. 暗号化オプションは、デフォルトのままでOKです。続いてパスワードを設定します。
  6. 「ランダムデータの収集」が開いたら、マウスを画面上で動かすよう指示されるので動かしましょう。それから「次へ」をクリックします。
  7. このSSDを使い続ける場合は「レスキューディスク」を作成し、ワイプモードで「1-パス」を選択し、「次へ」をクリックします。
  8. 最後に「テスト」をクリックして、すべてを確認しましょう。
  9. あとはパソコンを再起動し、画面の指示に従って進めばたら、暗号化が完了します。

暗号化が完了したら、初期化 (フォーマット)し、暗号キーごとデータを削除しましょう。

そうすれば、SSD内のデータの復元はほぼ不可能です。

MacでSSDを暗号化する方法

MacでSSDを暗号化するなら、搭載されている「FileVault」を使うのが手軽で非常に簡単です。

FileVaultはデフォルトで搭載されているアプリでもちろん無料です。

参考:FileVaultでMacのデータを丸ごと暗号化する方法

また、外付けSSDの場合にはFinderやデスクトップ上の外付けSSDのアイコンを右クリックし、メニューの中から暗号化を選べばOKです。

参考:Macで外付けHDDを暗号化しパスワードをかける方法

MacのSSD暗号化はデフォルトアプリということもあり非常にカンタンですね。

暗号化したら、SSDを初期化する

SSD 暗号化

各種方法でSSDの全体を暗号化したら、SSDを通常の方法で初期化(フォーマット)します。

そして、初期化でデータを全て消去したら、空っぽの状態でもう一度SSD全体を暗号化し、SSDを処分します。

暗号化するとパスワードがかかってしまうので、その後リサイクルショップ等に売却するならば、さらにもう一度初期化し、暗号化はしないようにしておきましょう。

これにより、万が一データを復元されても、暗号化されたファイルしか出てきませんし、そのファイルを復号したところで、復号されるのは2回目のデータ(空っぽのデータ)だけなので安全性が高まります。

WindowsでSSDを初期化する方法

WindowsでSSDを初期化する方法は、Windowsのバージョンや使用しているパソコンのメーカーによって微妙に異なります。

また、SSDを暗号化していると初期化できない場合があります。データを全て削除できれば良いので、ディスクのフォーマットでデータを全て消去してしまってもいいでしょう。

どちらにせよ、Windowsではやり方が複数あるので、ご自身のWindowsのバージョンや使用しているメーカーの初期化方法を調べてみてください。

MacでSSDを初期化する方法

MacでSSDを初期化する方法については、公式のユーザーガイドを選択してください。

Macのディスクユーティリティでストレージデバイスを消去して再フォーマットする – Apple サポート (日本)

まとめ

SSDを暗号化せずに手放すのは非常に危険です。

暗号化されていないSSDのデータを復元することは非常にカンタンだからです。

もちろん、今回紹介した方法でも100%安全というわけにはいきません。

しかし、”現実的”には完璧”です。あなたが国家から追われるスパイでもない限り大丈夫です。

今回紹介した方法を使えば、WindowsやMacはもちろん、接続している外付けSSDも簡単に暗号化することができます。

日頃のセキュリティ対策にもなるので、SSDは処分する予定がなくても、普段から暗号化しておきましょう。

個人情報等の大切なデータを漏洩させないためには、たとえSSDをゴミとして破棄するとしてもデータの暗号化 & 初期化をしっかり行っておくことが大切です。