VPNの選び方|契約前にチェックしたい5つの点

VPNサービスには様々な種類があります。

どのようなVPNを選ぶのが良いのでしょうか?考慮すべき4つのポイントを紹介します。

1. プライバシー

VPNを利用する上で何より重要なのはプライバシー保護です。

VPNサービスがどのような個人情報を収集しているのか、公式サイトのヘルプやプライバシーポリシーを読んで確認しましょう。

ノーログポリシー(IPアドレスや通信内容など個人情報を一切記録しない)を掲げているサービスならば安心です。

例えば、NordVPNは世界四大会計事務所の1つであるPwCの外部監査によってノーログポリシーが証明されています

大手VPNプロバイダーであるExpressVPNも第三者の監査でノーログポリシーを証明しています

日本ではMillenVPNがノーログポリシーを掲げています(ただし第三者による監査等は無し)。

しかし、日本では開示請求などに備え、IPアドレス等を一定期間保存する事が多いので、日本に拠点を置いているVPNサービスはノーログポリシーの観点から見ると、(海外のサービスと比べて)あまり評価できません。日本のサービスを利用しようと考えている方は要注意です。

世の中には「完全な匿名を保証する」というプライバシーポリシーに反して、ユーザーのブラウジング履歴を監視して接続を記録したり、収集したデータを広告主に売却したりしている悪質なVPN疑惑も含む)も存在するので要注意です。

2. 価格

VPNサービスには無料で利用できるものも多くあります。

例えば、Proton VPNやCloudflare WARPには無料プランが用意されています。日本の筑波大学もVPN Gateという無料のVPNサービスを提供しています。

しかし、こうした無料のサービスにはデメリットがあります。大抵、(有料のVPNと比べて)機能が少なく、サーバーの数も限られています。中にはプライバシー保護が実現できない粗悪なものもあります。

例えば、Google Chromeの拡張機能として提供されている無料VPNの「Free VPN」は、許可なく利用者の画面を撮影し、外部のサーバーに送信しています。

同拡張機能は非常に人気でレビュー評価が高く、Chrome ウェブストアでもGoogleの「身元確認済みバッジ」および「おすすめバッジ」が付与されていますが、そんな製品でも悪質なVPNである可能性はあるという事です。

サイバーセキュリティとプライバシーの専門家であるZak Doffman氏は、様々なリスクから「無料VPNは絶対に使用してはならない。」とForbesへの寄稿で述べています。

充実したサービスを望むのであれば、有料のVPNがオススメです。

3. 速度

VPNを利用すると、通信内容を暗号化し、VPNサービスのサーバーを経由して通信を行う事になります。

その為、通常の通信よりも通信速度が遅くなってしまいがちです。

第三者のレビューを調べるのも良いですが、実際に契約し、トライアル期間の間に「Fast.com」などのサービスを利用してインターネット回線の速度テストを行うのが良いでしょう。

4. 場所

VPNのサーバーが世界のどこに置かれているのか確認しましょう。

基本的にサーバーが物理的に近い方が通信速度が速くなるので、日本に住んでいる方は日本国内にサーバーが用意されているサービスを選ぶのが良いでしょう。

海外のコンテンツにアクセスしたい場合は、希望の国にサーバーがあるか確認しましょう。

例えば、「アメリカ版のNetflixを見たい」という方は、米国内にサーバーがあるか確認するのが大事です。

VPNに高度なセキュリティとプライバシー保護を求める方は、スイスやドイツなどプライバシー法が強力な国にサーバーが置かれているか確認するのが大事です。

5. 西側諸国のサービスを使う

VPNは著名で欧米に拠点を置くサービスを選ぶのがオススメです。

従って、通信の自由や表現の自由を守っている自由民主主義的な国家のサービスを使うべきです。

逆に、中国やロシアなど規制や検閲が厳しい国家のサービスは避けるのが基本です

一見して欧米のサービスに見えても、所有者は中国企業という場合もあるので注意が必要です。

大手企業の不正監視および公開を目的とする組織「Tech Transparency Project」の調査によると、AppleのApp StoreやGoogle Playにも中国企業が所有する無料VPNアプリが多く配信されていたとの事。

公開されたレポートによると、iOS向け無料モバイルVPNアプリの上位100に含まれる20のアプリは、中国政府にデータを渡す義務を負う中国企業の所有とされる

出典:iPhoneの人気VPNアプリが中国にトラフィック送信 | TECH+(テックプラス)

同組織は「数百万人の米国人が、自覚のないままインターネット通信を中国企業に送っている。その中には中国人民解放軍と関係のある企業も含まれる」と警告しています

まとめ

VPNサービスには非常に多くの種類があります。

中にはクオリティの低いものや、セキュリティが甘いもの、酷いとマルウェアやウイルスを仕込まれる悪質なものもあります。

VPNに求める機能とコストパフォーマンスを考えながら、信用できるものを選びましょう。

筆者は、手軽に使えるものなら「Cloudflare WARP」、無料のVPNなら「Proton VPN」、大手で信用があるものなら「NordVPN」をオススメします。