Cloudflareが提供する初心者向けのVPNサービス「WARP」について解説します。
WARPとは?
WARP(ワープ)とは、インターネット接続をより安全に行えるVPNサービスです。
CDNやサイバーセキュリティを提供する米国企業のCloudflare(クラウドフレア)が提供しています。
WARPを使うと、通信が全てCloudflareのサーバーを介して行われます。
Cloudflareはインターネット接続を安全にするための無料アプリ「1.1.1.1」に統合されています(1.1.1.1自体は無料のDNSです)。
メリット
誰でも無料で利用できる
WARPは誰でも無料で利用する事ができます。
会員登録も不要です。気軽に利用できるので嬉しいです。
使い方は簡単
WARPの利用はとっても簡単です。
Cloudflareが提供する1.1.1.1のアプリをパソコンやスマホにダウンロードし、WARPをオンにするだけで、誰でも簡単に利用できます。
WARPインターフェイスは、基本的にボタンが 1 つだけです。オン、またはオフです。わざとシンプルにしてあります。これは私の両親のために設計されているようなものです。
WARPはパソコンやスマホに詳しくない方でも気軽に使える初心者向けのVPNです。
通信速度は速い?遅い?
一般的に、VPNを使うと通信速度が遅くなります。これはVPNサービスのサーバーを経由して通信を行う為です。
しかし、WARPは世界中にサーバーを持つCloudflareが提供しており、接続するサーバーも利用者から地理的に近いサーバーに自動で接続するので、一般的なVPNよりも通信速度が遅くなりにくい仕組みになっています。
筆者も日ごろからWARPを使ってSNSや動画サイトにアクセスしていますが、特に問題なく利用できています。
プライバシー重視の設計
WARPはプライバシーを重視して設計されており、ユーザーを特定できるデータは一切記録しないと明言しています。
無料プランは会員登録不要で利用できるので、名前や電話番号、メールアドレスといった個人情報をWARPに提供する機会さえありません。
あらゆるデバイスに対応
WARPは以下のOS向けに専用アプリを用意しています。
- iPhone、iPad
- Android
- macOS
- Windows
- Linux
信頼と実績のCloudflare製
WARPを提供しているのは、米国に拠点を置くIT企業のCloudflareが提供しています。
この企業はウェブサイトを保護する為のサイバーセキュリティやインフラを提供している世界的企業で、顧客にはIndeedやDiscord、日本ではDeNAやGMO、Zenn、JCBなどがいます。
デメリット
WARPはシンプルで使いやすい優れたVPNです。一方でデメリットもあります。
一部のウェブサイトが閲覧できない
WARPを利用すると、一部のウェブサイトが正常に動作しない場合があります。
筆者はInstagramにログインできなかったり、Threadsが見れなかったり、読売新聞のサイトが表示されないなどのトラブルがありました。
この場合は、WARPを一時的に無効にする必要があります。
匿名性は低い
WARPはあくまで「インターネット接続を誰でも簡単により安全にするためのツール」です。
一般的なVPNと違って、匿名性を提供していません。
WARPは匿名性を提供しておらず、通信先のサーバーがユーザーを特定できないように設計されていません。
通信先のサーバー(利用しているアプリやウェブサイト)には、通常の通信と同様にこちらの情報は筒抜けだと考えた方が良いでしょう。
状況により、(CloudflareのIPアドレスではなく)、自身のIPアドレスが接続先に表示される場合すらあります。
強力な匿名性を求める方は、別途VPNを契約しましょう。WARPでは(使わないよりは良いですが)十分な匿名性を得られません。
ノーログポリシーではない
NordVPNやExpressVPNは厳格な「ノーログポリシー」を掲げています。これは、ユーザーのIPアドレス、閲覧履歴、接続時間、通信内容などを一切記録しないという方針です。
VPNを使って通信の匿名化を行う場合は、ノーログポリシーを掲げている(かつ第三者による監査等でそれが証明されている)ことが重要です。
では、CloudflareのWARPはどうかというと、ノーログポリシーではありません。
Cloudflareは「ユーザーを特定できるログデータはディスクに書き込みません」とブログで述べています。会員登録不要で利用できるので、そもそもメールアドレスやクレジットカード情報などを登録する必要すらありません。
しかし、一切の情報を収集しないという訳では無く、Cloudflareはサービスを提供するために必要な最小限のデータを記録します。
具体的には、リクエストデータ(送信元IP、送信元ポート、宛先IP)、クラッシュログ、DNSリゾルバー情報、通信データ量などに関する情報などを収集しています。
それらは全て匿名化されており、個人と紐づけて保存されている訳ではありません。また、彼らのプライバシーに関する主張は外部監査によっても証明されています。
とはいえ、最初から情報を収集しないノーログポリシーではないので、「プライバシー重視だが、厳格ではない」といった評価になります。
サーバーは選べない
多くのVPNサービスは、接続するサーバーを複数の選択肢から選ぶことが出来ます。
例えば、スピード重視で国内のサーバーに接続したり、米国専用のサイトにアクセスする為に米国内のサーバーに接続したりといった具合です。
しかし、WARPは接続先のサーバーを選択する事ができません。自動的に近い場所にあるサーバーに接続されます。
その為、匿名性を高めたり、用途に応じてサーバーを変更するといった事はできません。
居住地を偽装できない
NordVPNやExpressVPNなど、他社のVPNは他国のサーバーを経由してウェブサイトを閲覧する事が出来ます。
その為、日本にいながらアメリカからウェブサイトにアクセスしているかのように見せかけることが可能です。
これを利用する事で、Netflixなどが配信するコンテンツの地理的制限を回避できます。例えば、「日本にいながらアメリカ版のNetflixにアクセスする」といった事ができる訳です。
一方で、WARPは、居住地を偽装することは不可能です。現在いる国と別の国からインターネットにアクセスしているふりをすることは出来ないのです。
先述通り、WARPでは接続先のサーバーを選択できない為です。
そのため、WARPでは「日本にいながらアメリカ版のNetflixにアクセスする」といった使い方はできません。
まとめ
WARPは誰でも簡単に利用できるシンプルなVPNアプリです。
NordVPNやExpressVPNといった他社サービスと比べると、匿名性が低く、機能も少ないので、VPNとしては物足りない部分もあります。
しかし、会員登録も不要で誰でも無料で利用できる気軽さと、アプリをインストールしてすぐに使える手軽さはとても素晴らしいです。スマホやパソコンに詳しい方でも
運営しているのがインターネットのインフラを支える世界的な企業であるCloudflareなのも、信頼感があってよい点です。
もちろん、筆者もパソコンとスマホの両方で利用しています。
