イーロン・マスク氏はTeslaやSpaceX、X(Twitter)といった企業を率いる世界的起業家であり、非常に多忙な人物として知られています。
そんなマスク氏の「生産性を上げる6つの方法」を紹介します。
1. 電話は極力使わない
イーロン・マスク氏は、電話の利用を極力避けています。
電話は仕事を中断して対応する必要がある上に、関係ない話で時間を浪費する可能性がある為です。
代わりに利用しているのがメールやメッセンジャーアプリです。
メールやメッセージなら、自分のタイミングで対応できるので、連絡に邪魔される事なく仕事に集中する事が出来ます。
マスク氏はこの働き方について、「私はメールが得意なんだよ」と冗談を言っています。
ちなみにイーロン・マスク氏と同様、IT企業を起業し、近年はロケット開発に勤しむ堀江貴文氏も同様のことを仰っています。
「自分の時間」を奪う最たるもの。それは「電話」だ。 僕は「電話に出ないキャラ」を確立している。電話で話す必然性のない用事なのに、やたらと気軽に人の電話を鳴らす者がいるが、僕は絶対に応答しない。
(中略)
仕事をしているときに電話を鳴らされると、そのせいで仕事は強制的に中断され、リズムが崩れてしまう。
出典:東洋経済オンライン
かつて国連の専門機関で働いていた”めいろま”こと谷本真由美氏もX(Twitter)でこう述べています。
俺が知ってる優秀な起業家の人、日本もイギリスもメールがめちゃくちゃ短いし電話も短いんだよ。そもそも電話はしない。マネージャーとかエンジニアも優秀な人ほど単刀直入だよな。話も早い。頭が悪い奴ほど話が長いし文章も長い。読む方とか聞く方の時間や手間を考えないんだよ。
出典:X / 谷本真由美
2. 外部からの連絡を遮断する
有名企業の経営者であっても、メールアドレスをウェブサイトなどで公開している方は少なくありません。
例えば、AppleのCEOであるティム・クック氏やAmazon.comの創業者であるジェフ・ベゾス氏はメールアドレスを公開しています。
しかし、イーロン・マスク氏は、社外の人間がメールを送ってこないように、メールアドレスを非公開にしています。
そうすることで、メールチェックの手間を減らし、時間を節約しているのです。
3. 常にマルチタスクで行動する
イーロン・マスク氏は複数のことを同時に行う「マルチタスク」をしています。
彼はこの手法を「バッチ処理」と呼んでいます。
会議中に電話で仕事を片付けたり、請求書を確認しながらメールを送信したり、さらには膝の上に子供を乗せながらメールを送ったり…
複数の仕事を同時にこなすことで生産性をあげています。
ですが、多くの人にとってマルチタスクはむしろ生産性を下げる可能性が高いです。一般的に、マルチタスクは1つのことに集中するよりもパフォーマンスが下がってしまうためです。
残念ですが、このテクニックは真似しない方が良いかもしれません。
関連記事:マルチタスクは効率が悪い!1つの事に集中して生産性を上げよう!
4. 5分単位で予定を立て、最適化を図る
マスク氏は、カレンダーを5分単位に分割し、極めて具体的なスケジュールを立てています。
そして、マスク氏はただ予定を立てて消化するだけでなく、どうすればもっと効率的に仕事ができるか常に考え続けています。
マスク氏は「最高のアドバイス」として「どうすればもっと上手くできるかを常に考え、自問自答することだ」と述べています。
関連記事:イーロン・マスクのスケジュール管理術
5. 第一原理思考
マスク氏が数多の困難を乗り越えてきたのは、単にハードワーカーだったからではありません。
彼が立ちはだかる問題を解決してきたシンプルな戦略が「第一原理思考」です。
第一原理とは、ほかのものから推論できない命題(基本的前提)のことだ。つまり、ある複雑な問題に関して、絶対に確実だとわかっていることがそれにあたる。
第一原理思考は、複雑な問題(たとえば、安価な宇宙ロケットや電気自動車など)の分析でこれ以上ないほどの効果を発揮する。
人類を火星へ送る計画を追求しようとマスクが決意したとき、最初にわかったのはロケット1台を購入するのに最大6500万ドルの費用がかかることだった。そこでマスクは問題を別の枠組みで捉えなおし、「手ごろな値段のロケットを見つける」のではなく「ロケットをそれほど高価なものにしている要因は何か」を考えることにした。
(中略)
第一原理思考は、単に大きな部分をひとつひとつの要素に分解するものではない。この思考のポイントは、自分のつくっているものに対する先入観を取り除くことにある。
その意味では、継続的改良とは対極にある。すでに存在するものの上に構築するのではなく、アイデアを基本要素に分解し、別の方法で問題を解決するにはどうすればいいかを考える思考だ。
つまり「脱構築と再構築」の継続的プロセスと言える。
彼は、ただガムシャラに働くだけでなく、第一原理思考で生産性をあげているのです。
6. 十分な睡眠をとる
世の中には長時間働くために睡眠時間を減らしてしまう方もいるでしょう。
しかし、マスク氏は非常に労働時間が長い(一週間に100時間働く)にもかかわらず、最大限の生産性を得るために、毎晩6時間ほど眠っています。
非常に多忙でありながら、十分な睡眠時間をしっかりと確保しているという事です。
マスク氏同様、ロケット開発の夢を追うAmazon.com創業者のジェフ・ベゾス氏も睡眠の重要性を語っています。
ジェフ・ベゾスはハードワークは好むものの、睡眠時間を削るつもりはさらさらなかったようで、ウォール・ストリート・ジャーナルの「睡眠」に関するインタビューでこう答えている。
「8時間は必要で、ほぼ毎晩その睡眠時間をとっている。どんな心配事があっても、電気を消したら5分後にはもう寝ている」
もっとも、アマゾンで働くみんなが8時間睡眠をとれるわけではない。急成長企業であれば、長時間労働や休日出勤は決して珍しいことではないが、ベゾス自身はハードワークを好むが、長時間労働は好まず、「8時間睡眠」にこだわりをもっているという。
ベゾスにとって歴史をつくるためには、懸命に働くことも必要だが、「楽しむ」ことも大切なことなのだ。そのためには睡眠が欠かせないということなのであろう。
出典:1分間ジェフ・ベゾス
また、堀江貴文氏も同様に睡眠の重要性を著書で述べています。
自慢することではないが、睡眠時間はしっかり取っている。だいたい1日7時間は確保している。短くても5~6時間は、しっかりと眠る。それだけ寝ても、1日で17時間以上はフル活用できるのだから十分だろう。
早起きにはこだわらない。ゴルフなど予定があるときは別だが、夜中まで飲んでいることが多いので、朝はゆっくり寝ていたい。昼前までベッドの中にいる日も、たびたびだ。早起きは規律正しい生活の基本だ、と大人は教えるけれど、あまり根拠は感じられない。ラジオ体操が奨励されていた時代の刷り込みとしか思えない。
早起きが体質的に向いている人は結構だが、僕の場合、寝たいだけ寝ているほうがベストな体調をキープできる。逆に、無理な早起きは危険だと思う。早起きを目的に、睡眠時間をおろそかにしてしまう人がいるからだ。睡眠不足はうつ病や心筋梗塞など、さまざまな病気を誘発する。そこにこそ根拠があるので、ぜひ注意してほしい。
「睡眠時間がもったいないほど楽しい」「人生やりたいことだらけ」という人の言い分は、わからないでもない。ただ、楽しいことを100%楽しみ尽くすためには、体調が万全でなくてはならないはずだ。ビジネスも同じだ。せっかくやりがいにあふれていても、眠たい頭では、満足なパフォーマンスを発揮できるはずがない。
出典:やりきる力
マスク氏、ベゾス氏、堀江氏…三者ともIT企業を立ち上げ、現在はロケット開発に邁進する起業家です。
ロケットの夢には睡眠が不可欠!?
まとめ
イーロン・マスク氏の自分のビジョンを実現するために邁進し、TeslaやSpaceXといった未来的な企業を作り上げ、そして億万長者になる姿に憧れている方も少なくないでしょう。
マスク氏のように成功したいと思いながらも、「思うように仕事を進められない」「うまく時間が使えない」という方は、ぜひマスク氏の生産性を上げるテクニックを使ってみてはいかがでしょうか。