計画倒れを防ぐには作業時間を予想の1.5倍で見積もるのがコツ

作業時間の見積もりが苦手で、仕事や勉強の時間管理がうまくできない方は少なくないと思います。

そんな方は、作業時間を予想の1.5倍で見積もりましょう

例えば、資料を作成しなければならない場合、「1時間で作成できるだろう」と思ったら、1時間半かかる事をみておくという具合です。

計画倒れを防ぐ方法

タイムマネジメントやライフハックについて書かれた本である「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」で、著者のグレッグ・マキューン氏はこう述べています。

私の知り合いで、いつも最短記録をベースに見積もりを立てる人がいる。たとえば家から店まで 行くのに、以前5分で行けたことがあるからといって、5分で行ける前提で動くのだ。実際は10分以上かかることが多いというのに。

買い物に行くだけなら、とくに困らないかもしれない。だが何事もそんな調子なので、すっかり遅刻魔の評判が定着してしまった。本人も悪いと思っているし、つねに時間に追われてストレスを感じている。あまりに長いあいだその行動スタイルで生きてきたので、ストレスのない状態が思い出せないほどだ。

それでも、やはり5分で店に行けると信じて疑わない。会議は30分で終わるし、大規模な報告書 は1週間で終わると信じている。ときどきは、うまくいくのだ。だが遅れることのほうが多いし、 そのせいで周囲を困らせ、罪悪感に苛まれる。いくらかバッファをとるだけで、今よりずっとうまくいくはずなのだが。

この一文を読んで「自分の事じゃないか!」と思った方も少なくないのではないでしょうか?

少なくとも筆者には心当たりがあります(苦笑)。

著者のマキューン氏によると、こうした時間の見積もりの甘さを「計画錯誤」というそうです。

あなたにも、仕事の見積もりが甘すぎて、いざやってみると締切に間に合わなくなった経験があるのではないだろうか。そういう傾向はけっして珍しいものではない。計画錯誤(プランニング・ ファラシー)という言葉もあるほどだ。

計画錯誤とは、ダニエル・カーネマンが1979年に提唱した言葉で、作業にかかる時間を短く見積もりすぎる傾向のことを言う。以前やったことのある仕事でも、なぜか実際より短く見積もってしまうのだ。

こうした必要な時間を短く見積もってしまう事(計画錯誤)に対して、マキューン氏は「見積もりの時間を1.5倍にする」という解決策を提示しています。

この状態から脱け出す方法がある。自分が見積もった時間を、つねに1.5倍に増やして締切を設定するのだ(1.5倍は多すぎると感じるかもしれないが、実際それだけかかることが多いのだから仕方ない)。仕事の話し合いに1時間か かると思うなら、1時間半の枠をとっておく。息子を習い事に送っていくのに10分かかると思うなら、15分前には家を出る。こうしておけば、遅れそうになって焦ることもないし、思ったより早くできたときには(そんなことはめったにないが)余った時間がごほうびのように感じられる。

常に1.5倍のバッファ(余裕)を設けることで、非現実的なスケジュール(見積もり)を回避する事が出来るという事です。

とてもシンプルですが、現実的な解決策ですね。

1.5倍で足りないなら、3倍?

Twitterには、同様の考え方で時間を3倍に見積もっているという方がいました。

筆者も1.5倍ではなく3倍で作業時間の見積もりをして作業をした事がありますが、確かに現実的なスケジュールになりました。

人によって最適な時間は違うので、1.5倍の見積もりで上手くいかない方は、自分の能力や性格、仕事内容に合わせ、より大きい数字をかけて調整してみると良いでしょう。

参考