自然光の最適化は健康を改善し生産性を向上させる

オフィスに日光などの自然光を上手に取り込むことで、健康状態が改善し、仕事の生産性が向上します。

自然光は労働者の”薬”となる

コーネル大学デザイン・環境分析学科のアラン・ヘッジ教授は、従来の窓ガラスを備えたオフィスで働く従業員と、自動調光で自然光を最適化し、まぶしさを軽減する「スマートガラス」を備えたオフィスで働く従業員の経験を比較研究しました。

この研究から分かった主な結果は以下の4つです。

1.自然光を最適化する事で、労働者の健康と福祉の改善が期待できる。自然光が最適化されたオフィス環境では、眼精疲労、頭痛、目のかすみなどの症状が84%減少しました。これらの症状は、仕事中にパソコンやスマホを長時間使用することによって生じることが多く、生産性を損なう可能性がある。

2.自然光の量が多ければ多いほど、より注意力の高い従業員になる。自然光を適切に調整したオフィスでは、眠気が10%減少した。

3.個人のパフォーマンスの向上は、自然光を利用することと関連している。これは、100人の従業員に対して年間10万ドル、窓の耐用年数で約200万ドルの価値が追加されたことに相当する。

4.自然光は、より良い室内体験を生み出す。スマートガラスを導入したオフィスでは、昼光の質が40%向上した。昼光や眺望の不足は、目のリラックスや疲労回復の能力を低下させる。さらに、窓の近くにいる従業員は、昼光に対する満足度が80%高い。

ヘッジ氏はこうした結果を受け、「この研究により、オフィス内の自然光の量を最適化することで、労働者の健康状態が大幅に改善され、生産性の向上につながることがわかりました」と述べています。

自然光の最適化が生産性を向上のカギ

ヘッジ氏の研究から、自然光は従業員の健康を改善し、生産性を向上させる事が分かりました。

しかし、ただオフィスの日当たりを良くすれば良いという訳ではありません。

自然光をただ取り込むだけだと、不要な熱が発生し、オフィス内の温度を無駄に暑くしてしまう可能性があります。また、パソコンやスマホの画面が反射して眩しく、労働者の目に悪影響を及ぼす可能性もあります。

外から室内が丸見えになってしまうのも問題ですよね。

こうした状況を回避するために、窓をブラインドやカーテンで覆ってしまう事が、結果としてオフィスを日当たりの悪い場所にしています。

大切なのは自然光の最適化です。

ブラインドの角度を日の光に合わせて調整したり、最適なカーテンを選んだり、調光フィルムを使ったりすることで、オフィスに取り込む自然光を調整しましょう。

直射日光を遮りつつ、光を取り込んでくれる採光カーテンなどを使うのも良いと思います。

(画像:採光ブラインド 【閉めても明るい・外から見えない】

もし仕事場が自宅であったり、オフィスのレイアウトや備品を変更できるなら、積極的に自然光を最適化し、仕事の生産性を向上させましょう。

まとめ

自然光は、仕事の生産性だけでなく、心身の健康を保つうえでとても大事な存在です。

労働者の健康と睡眠の質に関する研究によれば、自然光が取り入れられたオフィスで働くことで、睡眠の質が向上し、それによって他の健康面にも良い影響が出たと言います。

自然光が適切に取り込まれたオフィスでは、単に仕事の生産性が上がるだけでなく、QOL(人生の質)の向上が期待できるという事です。

大手レコード会社で絢香氏や平井堅氏をプロデュースし、現在はニュージーランドの湖畔で生活する四角大輔氏は、著書でこう述べています。

ためしにやってみよう。たとえば今、机の上をリセットしようと決めてみる。
筆記用具かMacBook、そしてお気に入りのティーカップ以外をすべてどけてみる。
できることなら、その机を窓の近くへ移動させる。

窓の外がいい景色じゃなくてもいい。
レースのカーテン越しに感じる、太陽の光や空の存在に意識を向けてみる。
それらは、都会にいても感じられる貴重な〝自然〟の存在で、ノイズとは正反対のものだ。
視界と頭の中からノイズを減らすと、思考が急に鮮明になり、すぐにでも目の前のことに手を付けたくなってくる。

ひとたび手を付ければ、あっという間に時間が流れる。胸の奥が発熱し、ワクワクしてくる。
それが本当の意味での、〝クリエイティブな時間〟だ。
そしてクリエイティブな時間をどれだけ持てるかが人生の質を決める。
自分を劇的に変えるためには、まずシンプルでミニマムな空間を手に入れることだ。

出典:自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと

仕事の質、ひいては人生の質を上げたい方は、オフィスの自然光にこだわってみると良い効果が得られるかもしれません!

参考