イーロン・マスク氏は、テスラでの困難な時期や、いくつかの新興企業を立ち上げたばかりの頃、週100時間も働いていたと述べています。
しかし、ただガムシャラに働いていた訳ではありません。マスク氏は効率も重視しています。
この記事では、マスク氏がTesla(テスラ)の全従業員へ宛てたメールの中で提言した「生産性を高める7つの方法」をより紹介します。
1.大規模な会議をやめる。
マスク氏は大規模な会議について以下のように述べています。
過剰な会議は大企業にとって有害であり、ほとんどの場合、時間の経過とともに悪化します。
大規模な会議は参加者全員にとって有意義だと確信が持てる場合を除き、極力控えてください。
価値あるものだと確信できる場合は、短時間で済ませてください
次に出席する会議で、その部屋にいる人全員の時間当たりのコストを足してください。そして、自分がその会議の小切手を書いていると想像してください。
重要な決定や具体的な行動計画といった形で、収益やコスト削減に直接つながらない会議は、お金の無駄遣いです。
2.会議を頻繁に開くのをやめる。
マスク氏は大規模な会議だけでなく、(緊急性が低いにもかかわらず)会議を頻繁に開くことも止めるように述べています。
緊急の問題でない限り、頻繁に会議を開くのはやめましょう。
緊急の問題が解決したら、会議の頻度は直ちに減らすべきです。
また、会議の頻度を減らすためのアイデアとして、議題には、”情報”、”総括”、”検討”、”議論”という言葉を入れてはならないとのこと。
大切なのは「製品の発売日を決定する」「データベースの再設計のためのソフトウェア開発者を選定する」など、実際にグループで意思決定が必要な議題だけを箇条書きにして、一度の会議で決定をすることだと言います。
3.自分が役に立っていないと思ったら、会議を途中で抜けても構わない
マスク氏の会議に対する考えはまだあります。マスク氏は「自分が役に立っていないと思ったら、会議を途中で抜けても構わない」と述べています。
自分が会議で価値を提供できていない分かったら、すぐに会議を退出するか電話を切りましょう。
途中で退席することは失礼ではありません。人を付き合わせ、時間を無駄にさせることこそ失礼です。
誰もが問題なく会議や電話から抜けることが出来るように、Incではリーダーが「従業員が会議や電話から抜けても良いと最初に認めること」を提案しています。
4.専門用語を使わない
マスク氏はコミュニケーションを円滑に進めるため、分かりづらい言葉を使用しないように求めています。
テスラでは、オブジェクト、ソフトウェア、プロセスについて、頭字語や意味不明な言葉は使用しないでください。
一般的に、説明を必要とするものはコミュニケーションを阻害します。テスラで働くためだけに用語集を暗記しなければならないような状況は避けたいと考えています。
専門用語やバズワード(流行語)、頭文字を使うと、余計な説明を省くことができ、時間の節約に繋がります。
しかし、専門用語の利用は、意味を理解できない人を排除する事にもつながります。
意味が分からない言葉を黙って聞き続けるのは生産性が低い行為です。一方で、意味を聞いて無知や仲間外れと思われるのも包括的ではありません。
明確に、シンプルに、要点だけを伝えることは、特に機能や部門を超えた会話において、優れたリーダーのコミュニケーション方法です。そうすれば、誰もが会社に貢献できるからです。
マスク氏は「一般的に、説明を必要とするものはコミュニケーションを阻害します。テスラで仕事をするために用語集を暗記しなければならないようなことは望んでいません。」と述べます。
5.命令系統に従ったコミュニケーションを止める
「コミュニケーションは、”命令系統 “ではなく、仕事を遂行するために必要な最短経路を通るべきです」とマスク氏はメールに書いています。
コミュニケーションは「指揮系統」ではなく、仕事を遂行するために必要な最短経路で伝達されるべきです。
指揮系統によるコミュニケーションを強制しようとする管理者は、すぐに別の職場で働くことになるでしょう。
つまり、問題を発見した人と、その問題を解決するのに適した人との間で行われるコミュニケーションの効率を高めたいのであれば、”ダイレクト・コミュニケーション”を奨励し、上司などを通す事によってコミュニケーションが”迂回”されることに抵抗を感じないような上司が必要です。
理論的には素晴らしいことですが、実際には難しいことです。
ほとんどのマネージャー(管理職)は上から目線で従業員を管理しているため、「知っている」という感覚がないと油断してしまいます。迂回されても平気なのは、自信に満ち溢れたリーダーだけです。
6.部門間のコミュニケーションを制限しない
マスク氏は円滑なコミュニケーションの大切さを訴えています。
問題の主な原因は、部門間のコミュニケーション不足です。
これを解決するには、あらゆるレベルで情報の自由な流れを確保することです。
部門間で何かを成し遂げるために、個々のメンバーがマネージャーに相談し、マネージャーがディレクターに相談し、ディレクターがVPに相談し、VPが別のVPに相談し、VPがディレクターに相談し、マネージャーがマネージャーに相談し、そして実際に仕事をしている人に相談しなければならないとしたら、とんでもない事が起きるでしょう。
関係者が直接話し合い、適切な対応をとれる環境が必要です。
ダイレクト・コミュニケーションは”奨励”するだけでなく、”要求”してください。
7.愚かなルールに従う事を止める。
会社のルールに従うことが、ある特定の状況下で明らかに馬鹿げている場合は、そのルールは止めるか変更した方が良いとマスク氏は言います。
基本的に常識を判断基準としてください。
特定の状況で「社内ルール」の適用が明らかに不合理であり、まるで『ディルバート』の漫画のネタになりそうな場合、そのルールは改めるべきです。
※『ディルバート』は管理的な職場を皮肉ったユーモアで知られる米国の漫画。
まとめ
イーロン・マスク氏は型破りな人間で、これまでにトラブルを起こすこともありました。
しかし、CEOとしてテスラをベンチャー企業から自動車業界トップの時価総額を誇る世界的な大企業に育てたのは事実です。
もしマスク氏やテスラのような、”型破り”な結果を出したいなら、ここで紹介した7つの方法を試してみてはいかがでしょうか?
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参考
