スタンディングデスクは健康に効果あり?生産性も46%向上!

皆さんは1日にどの程度の時間を座って過ごしますか?

ずっと座って仕事をしていると、健康に悪影響を及ぼし、集中力も失われ、仕事の生産性も落ちてしまいます。

運動やストレッチができればいいのですが、運動は大変ですし、仕事中にオフィスでストレッチをするのも限界がありますよね。

それでも、座りっぱなしを改善し、健康と生産性を維持したいと考えている方にオススメなのが、立って仕事ができるスタンディングデスク(立ち机)です。

スタンディングデスクとは、立った状態で使う机のことです。

(画像:山善 スタンディングデスク

座り過ぎには多くのデメリットが!

長時間座り続けることは、病気やガンのリスクが増加するなど、健康に様々な悪影響があることが分かっています。

テキサスA&M大学のマーク・ベンデン博士は「長時間の着席は健康に悪影響をもたらすだけでなく、肥満と注意力の低下をもたらす」と述べています

また、「座って過ごす時間が長すぎると、年齢や性別や運動習慣のあるなしにかかわらず、死亡リスクが格段に高まる」ということが、米コロンビア大学医学部の研究で分かっています。

スタンディングデスクを使い、立って仕事や勉強をすれば、カロリーをより多く消費し、こうしたデメリットを回避し、生産性を向上させる効果が期待できます

立って仕事をすると、生産性が46%向上する!

スタンディングデスクを使って勉強すると、生徒の注意力や認知機能の向上に役立つと言われています。

また、大人の場合も立って仕事をする事で、生産性を向上させる事ができます。

テキサスA&M大学研究によると、コールセンターでスタンド機能付きのデスク(高さが変更できる机)を使用した従業員は、従来の座って使う机を使用している従業員に比べ、生産性が46%も高かったといいます。

研究者らは、6か月間にわたってコールセンター従業員の2つのグループの生産性の違いを調査し、立ったまま作業できるワークステーション(従業員が一日中、必要に応じてデスクを上げ下げして立ったり座ったりできるワークステーション)の従業員は、従来の着席デスク構成の従業員よりも約46%生産性が高いことを発見しました。生産性は、従業員が1時間あたりに完了した成功した通話の数で測定されました。

出典:Boosting productivity at work may be simple: Stand up

さらに、健康面でも良い変化が見られました。スタンド機能付きデスクを利用した労働者の75%近くが、6ヶ月の研究期間中、このデスクを使用した後、身体の不快感が減少したことを経験しています。

座りっぱなしで仕事をするのではなく、立って仕事をすることで、仕事の生産性が上がり、さらには健康面でも良い影響が期待できるという事です。

大切なのは身体を動かす事

スタンディングデスクを使い、立って仕事をする事で良い影響が期待できるのは事実です。

しかし、ただ立っているだけでは、座っているだけの状態とそれほど変わらないという意見もあります。

研究チームの一員で、同大人間工学センターを率いるマーク・ベンデン氏は、ただ従業員を立たせるだけでは、チームの研究結果を十分に説明できないだろうと述べる。「静的に立っているだけでは、静的に座っているだけとそれほど変わらない」からだ。

座りっぱなしや立ちっぱなしとの重要な違いは、机を立っても使えることで、より多く体を動かすようになることだという。「テクノロジー主導で不活動的になっている」現代においては、立つ人が「体を小刻みに動かしたり、揺らしたり、傾けたり」することが重要だと同氏は指摘する。

出典:立って仕事、座っているより生産性も向上 – WSJ

つまり、状況に応じてデスクの高さを変更する事ができ、従業員が立っている状態と座っている状態の両方で仕事ができる点が、身体的な快適さを従業員にもたらし、生産性向上に繋がったという事です。

大切なのは定期的に身体を動かす事。

立ちっぱなしは座りっぱなしと同様に良くないという事です。

この点については、2024年にも研究で確認されました

研究チームは「(座りっぱなしに対する)処方箋として立っている時間を増やしても、重大な心疾患系疾患のリスクは低下せず、それどころか起立性循環器疾患のリスク増大を招く可能性がある」と解説。「心疾患系疾患のリスクを減らすためには立っているだけでは不十分」と言い切る。

出典:「スタンディングデスク」の効果に疑問? 国際チームが検証 大切なのは“動くこと” – ITmedia NEWS

研究チームの1人であるシドニー大学の公衆衛生科学者であるマシュー・アーマディ氏は、「立っている時は体を動かす他の活動も混ぜて行う必要があります」と述べています

まとめ

座りっぱなしは身体に悪く、集中力や生産性に悪影響を及ぼします。

生産性を上げる方法を探している方は、座りっぱなしを防ぎ、定期的に身体を動かすために、スタンディングデスクの導入を検討してみてはいかがでしょうか?

既に日本ではアイリスオーヤマや三菱商事、Microsoft、Googleなど有名企業がスタンディングデスクを導入しています

スタンディングデスクが無い方も、空き箱などを利用して作業机の高さを調整すれば、立って仕事をする事ができます。

簡易的なスタンディングデスクとして利用できるのが、ミカン箱ほどの大きさの箱です。デスクの上に置き、そこにノートパソコンを置いて作業するのです。立って作業をする場合、手はなるべく腰の付近にあるほうがいいので、箱よりも一段階下の高さに外部キーボードを置く場所を、たとえば本を積んで作るのがおすすめです。

出典:ライフハック大全―――人生と仕事を変える小さな習慣250

本格的なスタンディングデスクの導入が難しい方は、参考にしてみてください。

参考