働き方の多様化やコロナ対策としてリモートワーク(テレワーク)を認める企業が増えています。
しかし、リモートワークは、生産性を高めることができる一方で、誘惑や運動不足、集中力の低下などの課題も抱えています。
この記事では、そうした問題が起こらないように、リモートワークで生産性を維持するための8つのコツを紹介します。
1.規則正しく働く
リモートワークはオフィスで働くより、時間の融通が利くと思います。
しかし、リモートワークであっても、スケジュールをしっかりと決め、時間管理を徹底した方が良いでしょう。
ルーティンを決め、毎朝同じ時間に起き、毎晩同じ時間に眠りましょう。
規則正しい生活を送ることが、仕事の生産性向上に役立ちます。
毎日おなじ時間に起床し朝食を食べ掃除をして仕事を始める。おなじ時間に仕事を終え食事をし入浴して布団に入る。これをひたすら繰り返す。まるでアメリカのドラマに出てくる刑務所の囚人みたいな生活をつづけていました。しかし、これがもっとも生産性の上がる生活だったりするわけです。
— 米田政行:Gyahun工房[ライター・編集者] (@GyahunKoubou) February 24, 2023
2.休憩をしっかりとる
リモートワークでは、休憩をしっかりとるのも重要です。
リモートワークにおいて「サボり放題」である事を心配する方は少なくないと思います。
ですが、実際にはそばで見てくれている方や定時が無いため、働きすぎてしまう危険性もあります。
ダラダラ働いてしまったり、働き過ぎで生活リズムを崩してしまわないように、休暇や休憩も含め、しっかり予定を立てましょう。
「休む時間」をしっかりと決めておけば、やる気が出ないのにダラダラ仕事をしたり、逆に休んでいるのに仕事の事を考えてしまう事も減るでしょう。
休むなら休む、とカチッと決めて休んだほうがいい理由は、その方が「決断力」を消費しなくて済むから。「やらなきゃいけないことをやらずについだらだらしてしまう」というのは、体力は温存できるが、決断力をがんがん消費している。決断の保留が、一番決断力を浪費する。
— ひらめきメモ🎉10万部📔 (@shh7) February 24, 2019
3.一時間に一度はデスクを離れる
座りっぱなしは健康に悪いので、デスクから離れる時間を設けましょう。
定期的にデスクから離れ、立ち上がることは、生産性を向上させ、健康にも良いことが証明されています。
もちろん、デスクから離れても、別の椅子に座っている様ではいけません。
デスクから離れたら、身体を伸ばしたり、水を飲んだりして集中力と凝り固まった身体を癒しましょう。
デスクから離れる時間をあらかじめ決めておけば、休憩と称してサボりすぎてしまうリスクもありません。
4.立って仕事をする
ずっと座って仕事をしていると、集中力が低下し、生産性が低下します。
スタンディングデスク(立ち机)を使い、立って仕事をする事で、座って仕事をする場合よりも生産性を向上させる事ができます。
テキサスA&M大学の研究によると、コールセンターでスタンド機能付きのデスク(高さが変更できる机)を使用した従業員は、従来の座って使う机を使用している従業員に比べ、生産性が46%も高かったといいます。
この研究によると、昇降可能なデスクを使い、立った状態と座った状態の両方で仕事をできるようにした事が、身体的な快適さに繋がり、生産性の向上に繋がったと言います。
リモートワークでは、外に出る機会が減るので、運動不足に陥ってしまう可能性があります。スタンディングデスクを使い、意識的に身体を動かすようにする事で、健康を保ちながらデスクワークをする事ができます。
参考:スタンディングデスクを使い、立って仕事をすると生産性が上がる
5.音楽を聴く/音楽を聴かない
音楽にはストレスを解消したり、生産性を向上させる効果があります。
米メディアのThe Atlanticによると、音楽を聴くことはオフィスワーカーには向いていません。オフィスワーカーの生産性を向上させるのは「静寂」だと言います。
一方で、単純で繰り返しが多い退屈な作業をする際には、音楽が生産性を向上させると言います。
音楽が生産性にもたらす効果を称賛する研究報告は数件ありましたが、それらの研究が、どのような職種を対象として行われたのかに目を向けることが重要です。
たいていの研究では、被験者は、工場の組み立てラインのような、単調な作業をしていました。そのような職種なら、音楽が作業の退屈さを紛らわせ、作業者の注意力を維持するので、生産性向上に役立つかもしれません。
しかし、じっくり考えたり、認知力を駆使したり、複雑な問題を解決したりすることが必要な仕事の場合、音楽の生産性向上効果はまったく違ったものになります。
仕事の内容によっては、音楽を聴くことで生産性を向上させる事が出来るかもしれません。
一方で、音楽を聴くことが逆に生産性を下げることもあります。
仕事内容に応じて、静寂な環境を確保したり、逆に音楽を聴くことで、生産性の向上が期待できます。
6.健康的な食事をする
健康的な食事をすることは、仕事の生産性を高める上でとても大事です。
健康的な食事が何であるかは人によって異なるでしょう。痩せているのか、太っているのか。持病があるのか、アレルギーがあるのか。自分の心と身体に気を配り、良い食事を摂るように心がけましょう。
例えば、米InsiderのJennifer Still氏は、同メディアで以下のように述べています。
「よく噛んで食べる」とはどのようなことか、人によって異なると思いますが、私の場合は、たくさんの新鮮な野菜、適度な量のタンパク質、健康的な脂肪を多く含み、炭水化物や糖分を抑えた食事をすることを指します。
また、仕事をする際に、コーヒーやエナジードリンクを飲む方も少なくないと思いますが、カフェインの過剰摂取は危険なので、ほどほどにしましょう。
特にエナジードリンクはカフェインが非常に多く入っているので、少量でも注意が必要です。行政機関である、農林水産省も注意喚起しています。
カフェインを過剰に摂取し、中枢神経系が過剰に刺激されると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠が起こります。消化器管の刺激により下痢や吐き気、嘔吐することもあります。
長期的な作用としては、人によってはカフェインの摂取によって高血圧リスクが高くなる可能性があること、妊婦が高濃度のカフェインを摂取した場合に、胎児の発育を阻害(低体重)する可能性が報告されています。
7.通知を止めて集中する
重要な仕事や集中力を必要とする仕事をしている際に、通知が来るたびメールや電話を確認するのは生産性を下げる行為です。
リモートワークうるさいオフィスではなく、静かな自宅で作業できるメリットがありますが、通知が鳴りっぱなしでは意味がないので、通知は仕事に集中するためにオフにしましょう。
レコード会社で絢香、平井堅、Superflyなど、人気アーティストのプロデューサーを務めていた四角大輔氏は著書「自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと」で以下のように述べています。
多くの人が、メールチェックに大量の時間を費やしている。
会議でも、作業中でも、メーラーを開きっぱなし。しかも、受信トレイにはのぞまないメールが山ほどたまっている。
自分から求めていない情報はすべてノイズだ。
来るものすべてにいちいち反応していたら、そのたびに集中力が遮断されるし、だんだん自分がなにをしたかったのかも忘れていってしまうからだ。
8.自然に触れる
仕事をする部屋に自然を取り込むだけで、QOL(生活の質)や生産性を向上させることができます。
自然を取り込むといっても、野原や公園で仕事をする必要はありません。
例えば、カーディス大学が複数の大学と共同で行った研究によれば、植物を配置したオフィスは、そうでないオフィスより生産性を15%向上させるといいます。
また、コーネル大学の研究では、自然光に照らされたオフィスで働く労働者は、眼精疲労、頭痛、かすみ目など、生産性を損なう症状を訴える割合が84%低いことがわかりました。
仕事スペースに上手に自然を取り込みましょう。
9.時にはのんびり過ごす
リモートワークの場合、閉店時間や帰宅時間、休日など、仕事の終了時間を気にする必要が無くなります。
しかし、だからと言って仕事に集中しすぎるのも問題です。
スイスのチューリッヒ大学とオランダのラドバウド大学の研究者らは、「快楽主義に身を任せることも幸福にとって重要」との研究結果を発表しています。
特定の人々は長期的な目標達成と関係なくリラックスしたり遊んだりしている時に、「本来であればやった方がいい物事」について考えてしまう傾向があると判明。こうした人々は長期的な目標達成に関して熱心だといえますが、 Bernecker氏は「長期的な目標に関する矛盾についての考えは、リラックスの効果を損ねます」と述べ、リラックスしている時に十分リラックスできない点が問題だと指摘しています。
一方、リラックスしている時に長期的な目標について考えず、一時的な快楽に身を任せられるタイプの人は、全体的に人生の幸福度が高い傾向がみられたとのこと。一時的な快楽を楽しむ能力が高い人は、特にうつ病や不安に苦しむ可能性が低かったそうです。
(中略)
新型コロナウイルスのパンデミックによって多くの仕事が在宅勤務に切り替わったため、「リラックスする場所」と「仕事をする場所」が重なってしまった人も多いはず。こうした場合、リラックスしている最中にも「やるべき仕事」についての考えが侵入し、十分にリラックスできなくなってしまうケースが増えるとみられているため、「一時的な快楽を思う存分楽しむ能力」はより重要になっているとのことです。
効率よく仕事をするには、適度な休憩やのんびりリラックスして心身を休めることも大事です。
まとめ
自宅で仕事をする場合、部屋にゲームやテレビがあって気が散ってしまったり、逆に帰宅の心配をせず長時間労働をしてしまったりと、生産性を落としてしまうリスクがあります。
単に仕事の効率が悪くなるだけならまだ良いですが、場合によってはメンタルや身体など、健康に害を及ぼす危険もあります。
テレワークで効率が上がらなかったり、身体の調子が悪い時は、ぜひこの出紹介した8つの技を試してみてください!