Joplinとは?E2EEに対応したノートアプリをレビュー

強力なセキュリティを搭載した多機能なメモアプリ「Joplin」の特徴や使ってみた感想(レビュー)を述べていきます。

公式サイト:Joplin

Joplinとは?

Joplinとは、無料で利用できるオープンソースのノートアプリです。

読み方は「ジョプリン」です。

メモとToDoリストの作成を主要な機能としています

ロンドンのソフトウェアエンジニアであるローラン・コジック氏らによって開発されています

元々、コジック氏はEvernoteを利用していたのですが、価格が変更されたことをきっかけに、Evernoteの代わりとしてJoplinの開発を始めました

そのような経緯で開発された為、JoplinはEvernoteのノートをタグや添付ファイル、メタデータ(作成者や位置情報など)付きでインポートする事ができます

ちなみに、”Joplin”という名前は、コジック氏がよく聴く作曲家兼ピアニストのスコット・ジョプリン氏由来しています

Joplinの特徴

Joplinには以下の様な特徴があります。

オフラインファースト

Joplinは「オフラインファースト」を掲げています

つまり、すべてのデータは常にスマホやパソコン上に保存されるという事です。

これにより、Joplinのアプリはインターネット接続の有無を問わず、常にノートにアクセスできる状態を保っています。

対応OS

Joplinは以下のOSで利用できます。

  • Windows
  • macOS
  • Linux
  • iOS
  • Android

なお、ウェブ版はありません。その為、ブラウザからノートにアクセスする事は出来ません。

既存のサービスを介して同期

Joplinのノートを各デバイス間で同期する際は、他社のサービスと連携して行います。

現在対応しているのは以下の6つです。

  • Joplin Cloud
  • Nextcloud
  • Amazon S3
  • WebDAV
  • Dropbox
  • OneDrive

筆者はDropboxと連携して同期しています。

なお、Joplin Cloudは名前の通り、Joplinの公式サービスですが、有料となっており、利用には毎月以下の料金がかかります。

  • Basic:2.99ユーロ
  • Pro:5.99ユーロ
  • Teams:7.99ユーロ

ちなみに、1ユーロは約170円です(2025年8月28日現在)。

メリット:良い点

Joplinの魅力を紹介します。

エンドツーエンドの暗号化

Joplinは設定からE2EE(エンドツーエンドの暗号化)を有効にすることが出来ます。

Joplinは、すべてのアプリケーションでエンドツーエンド暗号化(E2EE)をサポートしています。エンドツーエンド暗号化(E2EE)は、データ(メモ、ノートブック、タグ、リソースなど)の所有者のみが読み取ることができるシステムです。これにより、通信事業者、インターネットプロバイダー、さらにはJoplinの開発者を含む潜在的な盗聴者がデータにアクセスできなくなります。

このシステムは、第三者が通信または保存されているデータを解読できないため、監視や改ざんの試みを打ち負かすように設計されています。

出典:End-To-End Encryption (E2EE) | Joplin

これにより、他のデバイスと同期しても(通信しても)、ノートの内容を誰かに読まれる事はありません。

プライベートな内容をノートに書き込みたい方も安心です。

日本語に対応している

Joplinの公式サイトは英語しかないのですが、アプリ自体は日本語にも対応しています。

アプリを開いて「Tools」→「Options」→「Language」から「日本語」を選択すれば、アプリの言語を日本語に変更する事ができます

非常に多機能

Joplinは非常に多機能です。

ノートに記せるのは文章だけでなく、画像や動画、PDFも添付することができます。

マークダウン記法やToDo機能(チェックボックスの設置)、ウェブクリッパーも利用可能です。

デメリット:良くない点

Joplinには残念な点もいくつかあります。

日本語の情報が少ない

Joplinの公式サイトは英語版しかありません。

ヘルプページも英語とフランス語、ドイツ語の3種類のみです。日本語の情報はありません。

また、Evernoteやnotionなど、他のノートアプリと比べるとあまり日本で流行っていません。

そのため、Wikipediaにすら載っておらず、Googleで調べても日本語の情報があまり出てきません。

使い方などの情報を日本語で得るのが難しいのは大きなデメリットです。

複数のアカウントが必要になる

Joplinは単体でもノートアプリとして利用する事ができますが、ノートの内容を他のデバイスにインストールしたJoplinと同期する為には、DropboxやOneDriveなど他のサービスと連携する必要があります(一応、Joplin Cloudという公式サービスもありますが有料です)。

その為、Joplinで同期機能を利用する為には、Joplinと他サービスの2つのアカウントが必要になります(既にアカウントを持っている方は、新しく作る必要はありません)。

サポートが無い

Joplinにはサポート(お問い合わせ)がありません。

問題が発生した場合は、自分で調べて解決する必要があります。

一応、Joplin Forumという公式のフォーラムが存在しますが、みなさん英語でやり取りしているので、日本語で質問しても答えてもらえるか分かりません…

同期が遅い

エンドツーエンド暗号化を有効にすると、同期の度に暗号化と復号化のプロセスが必要になる為、どうしても同期の速度が遅くなってしまいます。

筆者はiPhoneを使っているのですが、古いモデル(iPhone SE2)という事もあってか、同期スピードが目に見えて遅いです。

Joplinでエンドツーエンド暗号化を利用する際は、こまめに同期をしたり、Wi-Fi環境で同期を行うように注意した方が良いかもしれません。

まとめ

Joplinは無料でありながら高機能で非常に便利です。

筆者はずっとEvernoteを使っていたのですが、同期台数の制限ノートの上限数減少など、無料版の制限が年々厳しくなっており、別のサービスに移行したいと思っていました。

同期台数やノート数に制限が無く(もしくは余裕があって)、E2EEに対応したセキュリティが自慢のノートアプリを探していて見つけたのがJoplinでした。

実際に使ってみましたが、とても良いです。筆者は他にEvernoteとStandard Notesのアカウントも持っていますが、いずれ全てのノートをJoplinに統合しようと思っています。

無料で利用できるので、気になった方はぜひ試用してみてください!

公式サイト:Joplin

参考