*このニュースは2019年8月13日頃のものです。現在とは情報が異なる場合があります。ご了承ください。
米Verizonのメディア部門であるVerizon Media(現:Yahoo Inc.)は、2019年8月12日(現地時間)に自社が保有するマイクロブログ・プラットフォームの「Tumblr」を、WordPress.com等を運営するAutomattic社に売却する契約を締結したと発表しました。
AutomatticはTumblrの従業員200人も引き受けるといいます。
この買収について、AutomatticのCEOであるマット・マレンウェッグ氏は「Tumblrはウェブを代表するブランドの1つです」「Tumblrは、新しいアイデアや文化、経験を共有するのに不可欠な場であり、何百万人もの人々が共通の関心事を中心にコミュニティを作り、それを形成するのに役立っています。」「(Tumblrを)当社のラインナップに加えられることをうれしく思います」と述べています。
Tumblrの価格は捨て値?
売却の条件や売値など詳細は明らかにされていませんが、Wall Street Journalは「当初の価格に比べれば捨て値」、Axiosは「2000万ドル(約21億円)をかなり下回る」と報じています。
Tumblrは6年前の2013年に(Verizonに買収される前の)米Yahooが11億ドル(約1160億円)で買収しました。報道が事実なら、わずか6年でTumblrの価値は50分の1以下に下がった事になります。
Tumblrの栄枯盛衰
かつてTumblrはマイクロブログサービスの市場を支配したサービスでした。
しかし、米Yahooに買収されて以降、調子は悪くFacebook、Instagram、Twitter、Redditを始めとするSNSとの競争に敗れました。当時、米YahooのCEOだったマリッサ・メイヤー氏は「絶対に上手くやってみせる」と声明で述べていましたが上手くはいきませんでした。
米YahooとTumblrの相性は悪かったのです。その後、米YahooはVerizonに買収され、TumblrもそれによってVerizon傘下のサービスとなりましたが、Verizonとの相性はさらに悪かったようです。
特にポルノを禁止するという2018年の決定はビジネスに大打撃を与えたと見られています。Sensor Towerの調査によれば、Tumblrのモバイルアプリをダウンロードするユーザーの数は対前年比で33%減少しました。
今回、Tumblrを買収したAutomatticはインターネット最大の無料ブログサービスであるWordPress.comを始め、インターネット上での表現とコミュニティ作りに敬意を払っており、ジャーナリストであるBrian Heater氏は「少なくとも表面上は、(YahooやVerizonより)Automatticの方がTumblrとの相性良さそうだ」とTechCrunchの記事で述べています。
参考