「やらなければいけない」と分かっていても、なかなか手を付けられず先延ばしをしてしまった経験がある方は少なくないと思います。
特にADHD(注意欠如多動症)の方は、先延ばしをしてしまう傾向が強いと言われています。
どうすれば先延ばし癖を和らげ、やるべき事に取り組めるのでしょうか?
この記事では、体験談と専門家の見解を参考にしながら、ADHDの方でも使える「先延ばしを減らせる方法」を紹介します(もちろん、ADHDではない方でも使える方法です!)。
特に「タスクを始められない」「やる気が出ない」と感じている方にオススメの内容です。
先延ばしを防ぐには「タスクを分割する」
やるべきタスクの先延ばしを防ぐ方法の1つが「タスクを分割する」という方法です。
例えば「部屋の片付け」を「机の上を片付ける」に分割する。「英語の勉強をする」を「英語の参考書を1ページだけ読む」というように分割するのです。
タスクを小さいサイズに分割する事で、やるべきことが明確になり、集中力が十分に持続し、先延ばしが起こりにくくなろと専門家は述べています。
先延ばし癖の強い人は、ある目標や作業を目の前にすると、「果たして達成できるのか」という漠然とした不安や「興味もないしやりたくない」という心理的な抵抗感を抱きます。
しかし、そうした乗り越え難い負の感情は、タスク全体を小さく分割することでハードルがぐっと低くなります。
例えば、散らかった部屋を掃除する場合、一度に片付けるのではなく、「今日は机の上だけ、明日はクローゼットの中だけ」というようにタスクを分割してみるのです。
そうするとやるべきことが明確になり、作業時間も短くて済むので、集中力が十分に持続し、先延ばしが起こりにくくなります。
これはADHDに限らず、多くの方にオススメできる方法です。
生産性の専門家でありベストセラー作家でもあるジェームズ・クリアー氏も、「先延ばしを防ぐには、タスクを2分以内に実行できる量に分解するのがオススメである」と著書の「複利で伸びる1つの習慣」で述べています。
「2分以内」という数字は、具体的にタスクをどこまで細分化すべきか分かって良いですね。
関連記事:困難は分割せよ!先延ばし癖を治す「2分間ルール」とは?
テレビゲームからヒントを得た先延ばし対策
実際にADHDによる先延ばし癖に苦しんでいた自営業者のローリー・エロー氏は、先延ばし癖を克服する為にタスクの細分化を取り入れています。
エロー氏は仕事は先延ばしにしてしまうが、テレビゲームには集中して取り組めることに注目し、その理由が「『行動→結果→報酬』のループが短時間で繰り返され、脳に快感を与えている事」にあると気付きました。
例えば、シューティングゲームでは、「照準→射撃→命中 or ミス」というシンプルなループ(繰り返し)が短時間で何度も行われ、それに対して都度フィードバック(敵が倒れる演出やスコアのカウント)が得られます。

エロー氏はこのフィードバックループこそが先延ばしを防ぎ、目の前の物事に集中できる鍵だと気付いたわけです。
そこでエロー氏は、このテレビゲームのフィードバックループを実生活でも再現する為に、「タスクを細分化し、それを付箋に記し、終わったら付箋をぐちゃぐちゃにして透明の瓶に捨てる」という手法を考案します。
「行動する→付箋を捨てる」というループを短時間で繰り返す事で、エロー氏は集中力を高めて生産性を2倍~3倍に向上する事ができたといいます。
ループを短時間で繰り返す為には、一つ一つのタスクを短時間で片付ける必要があるので、タスクの細分化はとても重要です。
心理学講師のアンネミーケ・アペルギス・ショウテ氏も、先延ばし癖の回避方法として「タスクの細分化」をあげており、その理由として「小さなタスクを解決するごとにドーパミンという報酬が得られるようになる」ことを指摘しています。
タスクをこなすこと自体が集中力を高める鍵だという事です。逆に言えば、先延ばしをすると、やる気が起こらずさらなる先延ばしに繋がってしまいます。
また、エロー氏によれば、「付箋をぐちゃぐちゃにして捨てる」という行為には「触覚・音・視覚」の三重の報酬があり、「達成感」をリアルに感じられるといいます。捨てる行為もフィードバックループを実現する上で重要な要素だという事です。

まとめ
タスク細分化は先延ばし癖の克服に有効な手法です。
とてもシンプルな方法ですし、薬などを使う訳では無いので安全です。
使うものも付箋とペンがあればすぐにできるのでいつでも誰でも出来ます。
ADHDの方はもちろん、先延ばしに悩んでいる方はぜひ「タスク細分化」を試してみてはいかがでしょうか?
※本記事はローリー・エロー氏の体験談と専門家のコメントを紹介したものです。診断や治療の参考にはならず、医療的な助言ではありません。もし日常生活に支障が出るほど困っている場合は、無理せず医師などの専門家に相談することも検討してください。
