スター・ウォーズ世界の暦は「ABY-BBY」という紀年法が使用されています。
これは、ヤヴィンの戦い(エピソード4で反乱同盟軍が基地を帝国のデス・スターから守る戦い)を0とし、ヤヴィンの戦いより前をBBY(Before the Battle of Yavin)、後をABY(After the Battle of Yavin)で表記する方法です。
例えば、エピソード4から作中で10年後の時間を示す場合は、「10 ABY」と記します。
「エピソード5 帝国の逆襲」は3 ABYの出来事です。つまり、エピソード4から3年後を描いているという事です。
なお、0 BBYは存在しません。ヤヴィンの戦いから1年間が0 ABYであり、ヤヴィンの戦い前は1 BBYです。
ABY-BBY紀年法はいつ生まれたのか?
ABY-BBYの概念はいつ生まれたのか?
ヤヴィンの戦いを基点とする考え方
エピソード4のヤヴィンの戦いを基点とする紀年法は、1987年に発売された「Star Wars: The Roleplaying Game」というサイコロを使ったゲームブック(TRPG)で初めて登場しました。
さらに、1994年にはスター・ウォーズ世界のタイムラインを提示した最初の公式資料である「A Guide to the Star Wars Universe, Second Edition(直訳:スター・ウォーズ世界の手引き 第2版 )」が登場しました。
この書籍では、エピソード4を起点(ゼロ)と捉え、「BSW4」と「ASW4」という2つの言葉が使われていました。
- BSW4(Before Star Wars EP4、スター・ウォーズ エピソード4の前)
- ASW4(After Star Wars EP4、スター・ウォーズ エピソード4の後)
ABY-BBYという言葉こそ使用されていないものの、考え方は同じですね。
余談ですが、この時点(1994年)ではエピソード1(1999年)は公開されていません。公開前から、旧三部作は「エピソード4~6」とされていたんですね。
ABY-BBYの誕生
ABY-BBYという用語が初めて公式に使用されたのは、1998年に発売された「Star Wars Encyclopedia(直訳:スター・ウォーズ百科事典)」です。
この書籍では、ヤヴィンの戦い(映画「スター・ウォーズ 新たなる希望」)を標準0年としており、作中の出来事をBBYとABYで表記しています。
スター・ウォーズの公式サイトでも「BBY」という言葉が初めて使用されたのは「1990年代の出版業界」と記されています。
従って、ABY-BBYと同じ概念が登場したのは1987年。ABY-BBYという紀年法が登場したのは1998年という事になります。
その後、0 BBYという概念が廃止される(1 BBYの翌年は0 ABYになる)など、多少の調整がありつつも、基本的な考え方はそのままにABY-BBYという紀年法が利用され続けています。
作品への登場
2022年にDisney+で展開されているドラマシリーズ「キャシアン・アンドー」の第1話「キャサ」の冒頭でこの紀年法が使用され、作中の時間が5 BBYであることが明確に示されました。

スター・ウォーズの映像作品で「BBY」という用語が使用されるのは初めての事です。
これはあくまで視聴者向けの表記であり、作中で利用されている訳ではありません(そもそも、ヤヴィンの戦いを起点としている関係上、エピソード4以前を描いている作品では概念自体が存在しない)。
しかし、これは長らく設定上の存在だったABY-BBYの概念が、公式作品に取り込まれた記念すべき瞬間です。
また、スター・ウォーズの作中にはABY-BBYの他に、「コルサント紀元暦」というものがあり、こちらは「キャシアン・アンドー」の第12話「リックス通り」の作中で描かれています。