Palantir(パランティア)は意思決定に役立つ様々なデータ分析ソフトウェアを展開するビッグデータ解析企業です。
その中でも主力製品となるのが4つのソフトウェア プラットフォームです。
- AIP
- Foundry
- Gotham
- Apollo
この4つについて、この記事では解説していきます。
AIP

Palantir AIP(パランティア エーアイピー)は、「Artificial Intelligence Platform(人工知能プラットフォーム)」の略で、セキュリティを確保した顧客のプライベートネットワークで、ChatGPTのようなLLM(大規模言語モデル)や他のAI(人工知能)を安全に実行できるソフトウェア製品です。
Palantir AIPによって、お客様はPalantirが提供している機械学習(ML)テクノロジーのパワーを、大規模言語モデル(LLM)とともに、既存のPalantirプラットフォーム上で直接活用することができます。
ただし、「人工知能プラットフォーム」という名前の通り、あくまでこの製品はAIを安全な環境で実行するためのプラットフォームであり、PalantirがAIを一から開発・販売している訳ではありません。
詳細はこちら:Palantir AIPとは?石川県も導入したAIプラットフォーム!
Foundry

Palantir Foundry(パランティア ファウンドリー)は、SaaSのプラットフォームで、顧客が保有する社内外の各種データを統合、管理、保護、分析して、的確な経営判断や政策決定を支援するソフトウェアです。
民間セクター向けとされていますが、軍や政府など公共セクターでも活用されています。
Palantir JapanのCEOである楢崎浩一氏は「一般的なデータ分析ツールは設定など含め利用開始までに数カ月ほど必要なケースもあるが、FoundryはSaaSのため、数週間で利用できる点が支持されている」と述べています。
公式サイト:Palantir Foundry
各国の政府も愛用
Palantir Foundryは民間企業だけでなく、政府機関にも導入実績があります。
アメリカだけでも、疾病対策予防センター(CDC)、保健福祉省(HHS)、食品医薬品局(FDA)、国立衛生研究所(NIH)、退役軍人省(VA)をはじめとする数多くの保健・公衆衛生機関がFoundryを導入しています。
日本の石川県も被災者支援に活用
日本の石川県は、能登半島地震の被災者に関する情報が分散されていた為、効率的な支援を行う事ができませんでした。
そこで、石川県はPalanitr Foundryを活用し、合計15個のデータソースを統合して被災者に関する最新情報を提供する「被災者360」を構築しました。
これにより、被災者に関する情報が一か所に集約され、石川県は避難者の発見と支援を効率的に行う事が可能になりました。
The Noto Peninsula earthquake in January 2024 scattered over 62,000 evacuees across prefectures. Palantir engineers built “Victim 360”, unifying 15 fragmented data sources representing 120,000 citizens in the region, enabling evacuees to be found and supported. When flooding… pic.twitter.com/2TanYB43ly
— Palantir (@PalantirTech) 2025年10月21日
コロナ渦で活躍
新型コロナウイルスのパンデミックが起こった際に、Foundryは各国の公共機関で活用されました。
アメリカではPalantirが疾病予防管理センター(CDC)と協力し、アメリカの医療機関から収集した匿名データをFoundryで分析し、使用可能な病床数や人工呼吸器の数を把握するのに協力したとされています。
また、イギリス政府はFoundryを使って医療キャパシティや患者の病院での滞在時間の把握を行っていると発表しています。
日本では神奈川県が新型コロナウイルス感染症対策に必要な各種データの統合や分析の為にFoundryを導入し、政策決定に活かしています。神奈川県の取り組みはPalantirが日本のSOMPOホールディングスと共同で設立したPalantir Japanが支援しています。
ちなみに、神奈川県は国内の自治体で最初のFoundryユーザーとのこと。
Foundry for Builders
「Foundry for Builders」は2021年に立ち上げられた新興企業や中小企業を支援する取り組みです。
Palantirの顧客はほとんどが大企業や政府など大規模組織ですが、このプログラムではFoundryをサブスク制のフルマネージドSasSプラットフォームとして新興企業や中小企業など、より小規模な顧客に提供します。
アメリカではAIPと共に「Palantir for Builders」という名前で展開されています。
Gotham

Palantir Gotham(パランティア ゴッサム)は公共データを統合、管理、保護、分析し、公共サービスの抜本的な生産性向上を支援するソフトウェアです。
地方自治体から諜報機関、法執行機関、軍など、公共セクター向けて提供されています。
AIPと同様、Gothamもウクライナ軍に大きく貢献しています。
Gothamを使えば、大量の「構造化」データ(スプレッドシートなど)と「非構造化」データ(画像や動画など)を1つの集中データベースにインポートし、すべての情報を1つのワークスペースで視覚化して分析する事ができます。
この実現には「ダイナミック・オントロジー」と呼ばれる技術手法を用いています。
詳細はこちら:Palantir Gothamとは?
Apollo

Palantir Apollo(アポロ)は、FoundryとGothamに自動アップデートを送るコントロールパネルの役割をしています。
Apolloにより、Palantirのソフトウェアはクラウドに依存せず、オンプレミスやエッジ環境など多様な環境で安定的に稼働させることが出来ます。
米軍高機動多用途装輪車両(ハンヴィー) から潜水艦まで、Apolloはあらゆる環境下における継続的な展開を実現します。
Apolloの登場によって、PalantirはFoundryおよびGothamのデプロイの頻度を増やすことが可能になりました。
公式サイト:Palantir Apollo
まとめ
これらの製品は単独で使うだけでなく、それぞれ、または別製品と組み合わせて企業や政府のデータ分析に活用されます。
大手企業や政府、行政などに向けた製品なので、一般の方はなかなか見る機会は無いかもしれません。
ですが、日本でもSOMPOや富士通などの企業が導入して活用しています。我々の知らないところで、これらPalantirのソフトウェアが私たちの生活を支えてくれているのかもしれませんね。
参考
- データ分析企業「Palantir」がSOMPOと新会社設立–創業者のピーター・ティール氏来日(CNET Japan)
