Palantir AIP(パランティア エーアイピー)は、組織のAIエージェント導入を支援するプラットフォームです。
「AIP」は「Artificial Intelligence Platform(AIプラットフォーム)」の略です。
公式サイト:Palantir AIP
Palantir AIPとは?
Palantir AIPを使えば、LLM(大規模言語モデル)などのAI(人工知能)をセキュリティを確保したプライベートネットワーク上で安全に利用できるようになり、アプリの構築、アクションの自動化、AIエージェントの開発などに活用できます。
Palantir AIPによって、お客様はPalantirが提供している機械学習(ML)テクノロジーのパワーを、大規模言語モデル(LLM)とともに、既存のPalantirプラットフォーム上で直接活用することができます。
なお、AIPはあくまで既存のシステムを一括管理できるプラットフォームであり、PalantirがAIを一から開発・販売している訳ではありません。
AIP上で動かすAIは既存のものです(例えばChatGPTでお馴染みOpenAIの「GPT」やxAIの「Grok」など)。
例えば、PalantirがYouTubeで公開している動画では、オープンソースのLLMが活用されています。ただし、顧客の要望に合わせたカスタマイズやチューニングをする事はあります。
日本では富士通が同社の社会課題解決に向けたグローバルソリューションである「Fujitsu Uvance」にPalantir AIPをPalantir Foundryと組み合わせて提供しています。
公的機関も活用
AIPは民間企業だけでなく、政府や行政、軍でも利用されています。
例えば、2024年にはAI企業のAnthropicとAmazonのクラウドサービスであるAWSと提携し、米国の情報機関および防衛機関がAWS上のAIP内でClaudeの運用が可能になりました。
日本の石川県も導入!
Palantir AIPは日本の石川県も災害対応の為に導入しています。
AIPにより、膨大なデータを最大限に活用した体制が構築できると考えています。
現場の担当者が膨大なデータを直感的かつ安全に活用し、より迅速で的確な意思決定を下すことを可能にします。
厳格なセキュリティとガバナンスにより、個人情報の保護も徹底され、住民一人ひとりに最適な支援を届けるための強力な基盤となります。
AIPの力によって、災害対応だけでなく、平時の行政サービスにも革新をもたらし、社会全体の安心と安全を支えていきます。
以下の動画では、石川県とその関係者がAIPを始めとするPalantirのソフトウェアを活用した災害対応について語っています(日本語のインタビューです)。
The Noto Peninsula earthquake in January 2024 scattered over 62,000 evacuees across prefectures. Palantir engineers built “Victim 360”, unifying 15 fragmented data sources representing 120,000 citizens in the region, enabling evacuees to be found and supported. When flooding… pic.twitter.com/2TanYB43ly
— Palantir (@PalantirTech) October 21, 2025
国防でも活用
Palantir AIPは国防の分野でも活用されています。
Palantir AIPは、最新の大規模言語モデルと最先端のAIを融合し、最も機密性の高い環境からのデータとモデルを、法的にも倫理的にも安全な方法で活用します。機密ネットワークから戦術的エッジデバイスまで、AIPが業界最先端のガードレールを活用して、防衛組織に責任ある、効果的で、コンプライアンスに準拠したAIの優位性をもたらす方法をご覧ください。
Palantirは「我が社のプラットフォームは合法的かつ倫理的な方法でAIを軍部に統合します」と述べています。
PalantirのAIPを使えば、ChatGPTのようなAIチャットボットを使用して、軍のオペレーターがドローン偵察を指示したり、複数の攻撃計画を作成したり、部隊の編成を構築したりといった事が可能です。
以下の動画では、Palantir AIPが軍でどのように機能するのか説明しています(動画は英語です)。
ウクライナでも活躍
Palantir AIPはウクライナでも地雷除去の為に活用されています。
ウクライナは2022年に本格的なロシアの侵攻が始まって以来、世界で最も地雷の多い国となっており、領土の3分の1が地雷や不発弾によって汚染されています。
ウクライナ政府は地雷除去を進めるためにPalantirと契約し、AIPを導入しました。AIPは地雷除去活動におけるデジタル化とプロセスの自動化、地雷対策の意思決定を支援します。
なお、Palantirは地雷除去以外でもウクライナに協力をしており、前線から後方支援までウクライナ軍の情報管理を支えています。
まとめ
Palantir AIPはエンタープライズ向けのプラットフォームなので、一般の方が目にする機会は少ないかもしれません。
しかし、石川県での活用を見ても分かる通り、見えないところで日本人を含め人々の生活を支えてくれているプラットフォームです。
公式サイト:AIP | Palantir
