江戸っ子が「宵越しの銭を持たない」理由

宵越しの銭は持たぬ

「宵越しの銭を持たない」とはその日に得た収入はその日のうちに使い果たしてしまうという、お金に執着しない江戸っ子の気性を表した言葉です。

一見、羽振りの良さや考えのなさを感じる言葉ですが、江戸っ子が「宵越しの銭を持たない」ことにはしっかりとした理由があるのです。

 

お金を安全に保存する方法がなかった

江戸っ子が宵越しの銭を持たない理由はもちろん、江戸っ子の気前の良さや、おおらかな時代という点もあるでしょう。

しかし、一番の理由はお金を安全に保存する方法がなかったという少々悲しい理由です。

 

 

江戸は半年に一度火の海に

当時、江戸では家事が頻発していました。

当時の江戸の町は木造で、現在と違い家(町)は燃えやすい作りでした。燃えずに残るものは少なく、おまけに消防の技術も今ほど高くないわけですから、一度火がついてしまえばすぐに家が何軒も燃えてしまいます。

当時の記録によれば、半年に一度は大火事が発生していたと言います。

 

当時の日本には現在のような銀行や保険はなく、家財は基本的に自分たちで直接管理するしかありませんでした。

とはいえ、家で管理するにも現代のような強固な金庫や倉庫があるわけではありません。それどころか、家の鍵すらあってないようなものなのです。

 

そのため、自分たちが持っている家財やお金を保証してくれる人はおらず、家で管理していても泥棒に盗まれるリスクが上がるだけ。

町が大火事になれば、お金どころの騒ぎではありません。

 

そうした事情から、燃えたり盗まれたりするくらいならば、最初からその日のうちに使い切ってしまえばいい=「宵越しの銭を持たない」という発想が生まれたと考えられています。

 

 

 

まとめ

大火災の度に、江戸っ子はお金をはじめ、家財の大半を失いました。

しかし、何度全てが燃えて無くなっても、その度に復興し続けました。

江戸っ子が「宵越しの銭を持たない」というのは、当時江戸ではお金の管理が難しいという事情があったからですが、江戸っ子が非常にパワフルだったというのも事実なのでしょう。

 

江戸時代の「宵越しの銭を持たない」エピソードは今でいうタンス貯金の危険性を表していますね。




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