起業家・投資家であるピーター・ティール氏について解説します。
ピーター・ティールのプロフィール
ピーター・ティール氏はPayPalやPalantirの起業、FacebookやDropboxへの投資で知られる起業家・投資家です。
慈善家でもあり、Ethereum(イーサリアム)の開発者であるヴィタリック・ブテリン氏等に支援を行っています。
また、近年は政治活動家としても活動しており、ドナルド・トランプ氏等に政治献金等の後援をしています。
名前 | ピーター・ティール (英:Peter Thiel) |
誕生 | 1967年 |
ジェンダー | 男性 |
性的指向 | 同性愛(ゲイ) |
職業 |
他複数 |
実績 |
他複数 |
家族 |
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拠点、居住地 | アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス |
推定資産 | 42億ドル |
政治思想 | リバタリアン |
国籍 |
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投資家
ティール氏は投資家としてLinkedInやYelpをはじめ、数十社の新興企業に初期投資を行いました。
投資先の多くは「PayPalマフィア」と呼ばれるPayPal時代の同僚が経営するものです。
また、Facebook(現Meta)初の外部投資家であり、同社の取締役を2022年まで務めました。
ティール氏の投資は個人または自身の投資会社を通じて行われています。
学歴
ティール氏は1985年にスタンフォード大学に入学しました。
大学ではスピード・チェスに興じ、アイン・ランドに出会い、同校のルネ・ジラール教授の研究に傾倒しています。
学問では法務(J.D.)と哲学(B.A.)を学んでいます。
政治思想(イデオロギー)
ティール氏は10代の頃にレーガン政権の保守主義に感化されてリバタリアンになりました。
2016年の大統領選ではドナルド・トランプ氏を支持した事で知られています。トランプ氏が大統領に当選した際は、政権移行チームを務めました。
しかし、2020年の大統領選ではトランプ氏への寄付は行っていません。ティール氏はトランプ氏の政策の一部を支持していたものの、その後の混乱には不快感を示していたといいます。
また、2022年末には2024年の大統領選ではどの候補者にも寄付をしないことを決めたとのこと。
ティール氏のファンは、彼を技術の進歩を個人の自由、科学の進歩、さらには救済に結びつけるテクノリバタリアンと見ています。
また、少し変わったところでは、後世での蘇生を期待して死後の肉体を冷凍保存する計画に登録している事が知られています。
慈善活動
若手起業家に資金を提供する「ティール・フェローシップ」を運営しています。
代表的なものに、Ethereum(イーサリアム)を開発したヴィタリック・ブテリン氏への支援があります。
執筆活動
ティール氏はビジネス書「Zero to One: Notes on Startups, or How to Build the Future」をブレイク・マスターズ氏と共著で出版しました。
この本はティール氏がスタンフォード大学で行った「起業論」の講義が元になっています。
同書はニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー第1位を獲得するなど、高く評価されています。
日本語訳も存在します。
ちなみに、ティール氏の愛読書はロード・オブ・ザ・リングの原作である「指輪物語」です。
また、リバタリアンとして「肩をすくめるアトラス」を支持しています。
企業・団体
ピーター・ティール氏と関連のある企業や団体です。
PayPal
デジタル決済サービス「PayPal(ペイパル)」を共同創業。
また、CEOも務めていた。
Palantir
米国政府と提携するデータ・インテリジェンス企業「Palantir(パランティア)」を共同創業。
会長を務めている。
関連記事:Palantir(パランティア)とは?
2004年にFacebook(現:Meta)に投資し、後に10%の株式となるものを得ました。ティール氏は同社初の外部投資家です。
その後、2005年から2022年まで同社の取締役を務めました。
その他
- Founders Fund(共同創業者、パートナー)
- Thiel Foundation(ティール氏による科学、技術、そして未来に関する長期的な思考を支援する財団)
ピーター・ティールの経歴
1967年、ドイツのフランクフルトで生まれる。
幼少期に米国に移住。
1968年にクリーブランドに移住。
詳細不明:ベイエリアの中流階級が住むフォスター・シティに移住。
1985年、スタンフォード大学に入学
1987年、高校時代の友人であるノーマン・ブックと共に、保守派の月刊学生新聞「スタンフォード・レビュー(The Stanford Review)」を創刊。
1989年、スタンフォード大学を卒業
1998年に若手の暗号学者マックス・レブチンと出会い、スタートアップ「コンフィニティ(後のPayPal)」を共同設立。同社への投資も行う。
1999年、コンフィニティのCEOに就任。
2002年、PayPalを辞任。
2004年、Facebook(現Meta)に投資
2007年、米ゴシップ系メディアのGawkerによってアウティング(無断でゲイだと暴露)される。
2011年、ニュージーランドの国籍を取得
2016年7月21日、共和党大会に登壇しスピーチを行う。スピーチ内で自身がゲイであることを公式に認める。
2018年、保守的な意見に対する地域の不寛容さを理由に、シリコンバレー(サンフランシスコ)からロサンゼルスに移住。また、マイアミビーチに豪邸を購入した。
2022年2月7日、Metaの取締役を退任すると発表。同年5月25日、正式に退任。
ピーター・ティールの国籍
ピーター・ティール氏はドイツ、アメリカ合衆国、ニュージーランドの3つの国籍を持っており、さらにマルタ共和国の国籍を申請中です。
ドイツ
ピーター・ティール氏はドイツ出身です。
その為、ドイツ国籍を生まれた時(1967年)から保有しています。
現在、ピーター・ティール氏がドイツ国籍を保有しているという公式の情報は無いため、現在はドイツ国籍を放棄している可能性もあります。
ニュージーランド
ピーター・ティール氏は2011年3月にニュージーランドの国籍を取得しています。
ニュージーランド国籍を取得するには、通常5年間はニュージーランドに滞在する必要があります。
しかし、ティール氏は米国で活動しており、ニュージーランドはわずか4回しか訪れていません。その上、国籍取得後もニュージーランドに住む意思はありませんでした。
ですが、「例外的な状況」であれば通常の要件を免除できるというルールに基づき、当時の政府は起業家としてのスキルと慈善活動が同国にとって有益であるとの理由でティール氏の申請を受理し、国籍を与えました。
ティール氏はニュージーランドの会計ソフトを手掛ける企業・Xeroへ投資を行っている他、同国の光ケーブルの開発に資金を提供したり、地震救済基金に寄付を行っており、そうした活動が評価されたという事です。
マルタ(申請中)
ティール氏が地中海の島国であるマルタ共和国の国籍を申請したと、ニューヨーク・タイムズが2022年10月15日に報じました。
ニューヨーク・タイムズによれば、ティール氏は2021年初頭にマルタ共和国の国籍取得を模索し始め、2021年後半には手続きがかなり進んでいるとの事です。
しかし、マルタ共和国は特に税制上のメリットなどは無く、ティール氏がマルタ共和国の国籍を欲している理由は不明です。